新横浜に多くの「ラブホテル」が建った理由
いまでこそ近代的なビルが建ち並び、未来都市の様相を呈する「新横浜」周辺ですが、その開発は駅開業当初から順調に進んでいたわけではありません。開業から10年ほど経ち、区画整理事業が終わっても、オイルショックの影響や基本「こだま」しか止まらないという利便性の低さ、そして建築規制等のルールが厳格で開発のハードルが高かったことから、しばらくは空き地ばかりが目立つ街でした。
土地が安く、人通りが少ないという条件から、増えていったのはラブホテル。一定以上の年代の人に話を聞くと、「新横浜=ラブホテル」というイメージが強く、ちょっとした武勇伝を聞くことも多いでしょう。
そんな新横浜の開発が進みだしたのは、1985年ごろから。地下鉄の開通、「ひかり」の増停車で利便性が向上。そこにバブル景気も後押しして、業務ビルやホテルが増加します。さらに1989年、当時、東洋最大級のイベントホールといわれた「横浜アリーナ」が開業すると、その動きに拍車がかかります。1994年には「新横浜ラーメン博物館」、1997年には「横浜国際総合競技場(日産スタジアム)」と、来街スポットが誕生する一方で、街の至る所にあったラブホテルの多くは廃業。代わってビジネスパーソン向けのホテルや飲食店などが増加していきました。
そんな「新横浜」周辺に、1995年頃、また転機が訪れます。バブル崩壊によるオフィス需要の減衰から、規制が緩和。住宅の建設が認められるとマンション建設ラッシュに。人口も爆発的に増加していきます。「働く」「遊ぶ」のほかに、「住む」という選択肢が「新横浜」に加わったのです。
交通至便性の高いオフィス街だから、家賃は高め
「新横浜」は単身の会社員の居住地としてはどうでしょうか。駅周辺の家賃相場を見ていきます。駅から徒歩10分圏内の1Kの平均家賃は7.15万円(図表1)。同条件の横浜市港北区の家賃水準は、駅10分圏内6.20万円。「新横浜」駅周辺は、港北区の平均よりもかなり高い家賃水準を誇ります。
厚生労働省が発表している「賃金構造基本統計調査」によると、都内勤務の男性会社員の平均月給は、25~29歳で27.5万円、30~34歳で34.1万円、神奈川県勤務で25~29歳で26.1万円、30~34歳で30.5万円となっています(図表2)。企業規模によって平均給与は異なりますが、そこから住民税や所得税などを差し引いた手取り額の1/3以内を適正家賃と考えると、都内勤務20代後半は6.9万円、神奈川県勤務は6.7万円、都内勤務30代前半は8.5万円、神奈川県勤務は7.6万円となります。
「新横浜」駅周辺の家賃相場は、20代会社員では適正家賃を少々上回り、30代会社員であれば十分検討できる水準です。大手検索ポータルサイトで、20代会社員の適正家賃内、徒歩10分圏内を条件で検索してみると、ヒットする単身者向け物件はそれほど多くはありません。30代会社員の適正家賃まで条件を広げると、ヒットする物件数は3倍ほどに増えます。築10~20年がボリュームゾーンで、新築含む築5年以内の築浅物件はそれほど多くはありません。ただ専有面積は25㎡以上であったり、オートロックや独立洗面台など、今どきの賃貸ニーズを満たした物件が多数占めるのは、都内ではなかなか見られない魅力です。
----------------------------------------------------------------------------------------------
[PR]不動産投資、いきなり始めるのはあまりに危険!
セミナーに参加し資産運用について考えましょう 詳細はこちら>>>
----------------------------------------------------------------------------------------------