薬物、お酒、ギャンブル…。いつの時代も人々を悩ます「依存症」「こころの病」の問題。医療法人社団榎会理事長である榎本稔氏は書籍『ヒューマンファーストのこころの治療』(幻冬舎MC)にて、デイナイトケア(終日クリニックでリハビリをすること)の重要性を説いています。

「こころの病があるから無理だ、できない」は嘘だった

ツアー中は医師・スタッフと患者さんを同室にしていたのですが、あるスタッフが夜中に熱を出してダウンしてしまいました。そのとき同室の患者さんがフロントに身ぶり手ぶりで説明して氷をもらったり、一晩中寝ずに看病したりしてくれたのです。私も長年患者さんと付き合ってきましたが、ここまでの人間的成長を見せてもらったのは初めてで、胸が熱くなりました。

 

それから榎本クリニックの海外旅行は毎年の恒例行事になり、アメリカ(サンフランシスコからロサンゼルス)、中国、韓国、台湾、タイ、シンガポール、ベトナムへも行きました。帰国後、嬉しそうな表情で楽しかった思い出を語りあい、日常生活にも自信をもって行動するようになるなど、明らかに良い効果があります。

 

「こころの病があるから無理だ、できない」と決めつけてはいけないということを、私は患者さんから幾度も教えてもらいました。

 

 

榎本 稔

医療法人社団榎会理事長 医学博士

 

ヒューマンファーストのこころの治療

ヒューマンファーストのこころの治療

榎本 稔

幻冬舎MC

こころの病を抱える人が生きるためには、「デイナイトケア」の治療しかない! 従来のこころの病は隔離病棟での治療が一般的であった。 本書で紹介するのは、「デイナイトケア」というこれまでにない、まったく新しい治療法であ…

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