たった一人のペルソナを深堀り
ペルソナは、過去の自分に設定することで、 8割方の人はうまくいきます。ところで、なぜ自分自身を対象とするのに、それが見込み客に響くのかといえば、「現在は解決できていることが、まだできていなかった当時の自分」がペルソナになるからです。
つまり「すでに解決策を知っている自分が、そうでない人に解決策を提示する」、これがビジネスになります。しかしたいていの場合、人はできるようになってしまうと、できなかった頃のことを忘れてしまいます。だから欲と恐怖のワークと向き合い、ペルソナをつくるのです。
たった一人の悩みの解決や願望を満たすことが、なぜ商売の広がりにつながっていくのか、不思議に思われた方もいるかもしれません。実は、自分だけが抱えている特殊な問題というのはほとんど存在せず、俯瞰(ふかん)して見ると、他の誰かの問題でもあるのです。したがって、一人の問題を徹底的に解決できれば、芋づる式に他の見込み客の問題にもアプローチできるというわけです。
一人が抱える問題の周りには何十何万という人がいると考えてください。ペルソナ像は、具体的であればあるほど、実際のターゲティングがしやすくなります。イメージ的には、「自分がその人の代わりに他己紹介ができる」くらいのレベルになるまで絞り込むのがポイントです。
ここでは、ペルソナがうまく描けない人でもつくれるようになる3つのステップをご紹介します。
ステップ1《ペルソナの基本スペック》
まずは対象者の基本情報を想定しましょう。
・氏名
・性別
・年齢・職業
・収入
・家族構成
・居住地
・趣味
・休日の過ごし方
・愛用メディア
・老後のライフスタイル
・担当している主な業務
・不安や悩み
・やってみたいこと
・よく検索するキーワードそして、次にペルソナの心の中を想像します。
ステップ2《ペルソナへの共感》
ペルソナに深く共感するために、頭の中に入り込むプロセスです。
他人に共感するためには、五感(視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚)を基本にして、以下のようなことを想像します。この想像が共感を呼ぶタネになり、相手の立場で自然にものを考えることにつながります。
・ペルソナに見えている、これからの世界はどんなものですか?
・ペルソナに聞こえているのは、誰が発するどんな言葉ですか?
・ペルソナが味わっているのは、どのような考え方ですか?
・ペルソナが嗅いでいるのは、どのような未来ですか?
・ペルソナが触れているのは、どのような習慣ですか?
ここまでできたら、最後にそれを一枚のシートにまとめます。
ステップ3《ペルソナの人物シート》
ここに出てきた人物像は、これからずっと長いお付き合いになっていきます。ペルソナはたった一人なのですが、たとえその一人の問題を解決したとしても、その周りには同じような悩みを抱えている人がたくさんいるからです。我々が時代によって変えていくのは、ペルソナではなく、商品・サービスなのです。