微妙なニュアンスも漏れなく伝わる! 便利なこだわり文句11選

日本語には、「損する言葉」と「得する言葉」の2種類がある。前者は幼稚で相手の配慮が不足しているイメージ、後者が知性や教養が溢れるイメージだ。「得する言葉」を使うことで、コミュニケーションが円滑になり、仕事や人生にも好影響と著者は語る。言葉遣いを変えるだけで好印象を与える「語彙」の数々を徹底解説。本連載は安田正著『超一流 できる大人の語彙力』(プレジデント社)から一部を抜粋した原稿です。

(1)【相成りました】
意味:〜になりました。〜に決定しました (重要な報告や、フォーマルな内容を伝える時に使う)

 

 創業 20 周年を迎えることと相成りました

× 創業 20 周年を迎えることになりました

伝える内容が重要であり、その重みを伝えられるか

◯の「相成りました」を使う代表例としては、「ご婚姻がつつがなく相成りました」というような、フォーマルな場面が考えられます。この表現で、いろいろな過程を経て、ようやくここまでに 至ったことを表せます。これも×とは重みが全然違います。何か重 要なこと、聞きづらいことを確認する場合は「いかが相成りましたでしょうか」と尋ねるとよいでしょう。

 

 

 

 

(2)【まがりなりにも】
意味:どんなに悪かろうといかに不十分であろうと、それなりに(謙遜しているニュアンスを出す)

 

 まがりなりにも、学校を卒業することができた。

× どうにか、学校を卒業することができた。

聞いている人を引きつけられるか

「まがりなりにも」は、「なんとか最低の条件を満たしたから、その後どうなったか」という期待を感じさせる言葉です。聞いている相手にこの言葉で「次に何が出てくるのか」と興味を湧かせ、引き込むことができます。一方、×の「どうにか」では、そこでストーリーが終わってしまいます。ですから相手を引き込むこともありません。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

 

(3)【再現性】
意味:ある一定の条件や手順のもとで、 同一の特性や同じことが繰り返し起こるかどうか

 

 そのやり方に、再現性がないと意味がない。

× そのやり方に、誰がやっても同じでないと意味がない。

同一の程度の厳密さが伝わるか

◯の例は、まさに同一の特性や同じことを繰り返し行えるかを示しています。×の「誰がやっても同じ」という表現は、〝同じ〞 の度合いが、〝似ている程度〞であるのか、〝ほぼ同じ程度〞であるのか、それとも〝全く同じ〞であるのか、を厳密に伝えるのに適していません。

 

 

 

(4)【さしずめ】
意味:結局。本当のところ。将来のことはわからないが、今のところ

 

〇 さしずめ、あなたしかそれを実行できる人はいません。

× つまり、あなたしかそれを実行できる人はいません。

結論に至るまで、きちんと考えたという印象があるか

 

「さしずめ」という言葉は、「その結論が出るまで、当てはまることをじっくり考えてきた」というニュアンスを伝えることができます。自分の意思や考えがその言葉にしっかりと込められ、そしてそれが相手に伝わることになります。その結果、伝えられた相手は自分の意見に対して反論や否定をしにくくなります。一方×の表 現「つまり」にはそこまでの深さはありません。

 

 

 

(5)【失態を演じる】
意味:面目を失うような失敗。顔に泥を塗るようなことをしでかす

 

 あの件では、彼は失態を演じてしまった。

× あの件では、彼はしくじってしまった。

どこまで失敗と向き合っているかが伝わるか

◯の「失態を演じる」は、その人の価値そのものがなくなる、 積み上げたもの、信頼を失う、批判の矢面に立たされる、何かの存在そのものがなくなるほどの失敗を犯してしまったイメージが伝わります。×の「しくじる」では、ただ失敗を起こしてしまった、というような「失敗についての重み」が伝わらない表現で終わってしまいます。

 

 

 

 

(6)【期せずして】
意味:思いがけず、意図していなくて。偶然に

 

 期せずして、同じ研修に出ていました。

× たまたま、同じ研修に出ていました。

その時の感情まで伝えられるか

◯の表現ならば、「期せずして会った」後に、懐かしい気持ちが湧いてくるかもしれません。あるいは「期せずして会った」後、 昔の嫉妬心が呼び起こされるかもしれません。つまり、その状況に 加えて、相手と会った時に生まれた感情も表現できるのが「期せずして」です。一方、×の「たまたま」では「偶然に出会った」という事実しか伝えることができません。

 

株式会社パンネーションズ・コンサルティング・グループ代表取締役
早稲田大学グローバルエデュケーションセンター客員教授 

株式会社パンネーションズ・コンサルティング・グループ代表取締役。早稲田大学グローバルエデュケーションセンター客員教授。1990年に、法人向け研修会社パンネーションズを設立。対人対応トレーニング、交渉術、ロジカルコミュニケーション、プレゼンテーションなどのビジネスコミュニケーションの領域で、官公庁、上場企業を中心に1700の団体での講師、コンサルタントとして指導実績を持つ。また、早稲田大学グローバルエデュケーションセンター客員教授のほか、東京大学、京都大学、一橋大学などでも教鞭をとる。著書に、累計87万部を超える大ベストセラー『超一流の雑談力』(文響社)シリーズほか

著者紹介

連載人生が変わる! 超一流の「語彙力」道場

超一流 できる大人の語彙力

超一流 できる大人の語彙力

安田 正

プレジデント社

“損する言葉"と“得する言葉"。言葉づかいの選択で残念な人生を送っていませんか? この本は、普段、あなたが使っている言葉が“損する言葉"であるか“得する言葉"であるか、ひと目で判断できる! そのような内容になっていま…

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