日本語には、「損する言葉」と「得する言葉」の2種類がある。前者は幼稚で相手の配慮が不足しているイメージ、後者が知性や教養が溢れるイメージだ。「得する言葉」を使うことで、コミュニケーションが円滑になり、仕事や人生にも好影響と著者は語る。言葉遣いを変えるだけで好印象を与える「語彙」の数々を徹底解説。本連載は安田正著『超一流 できる大人の語彙力』(プレジデント社)から一部を抜粋した原稿です。

 

(4)【目覚ましい】
意味:驚くほど素晴らしい。よい方向へ非常に早く変わっていく

 

 数十年の間に、日本経済は目覚ましい発展を遂げた。

× 数十年の間に、日本経済はすごく発展した。

素晴らしさの度合いがはっきりわかるか

 

安田正著『超一流 できる大人の語彙力』(プレジデント社)
安田正著『超一流 できる大人の語彙力』(プレジデント社)

素晴らしいということを伝える時に使う「すごい」。「優秀」「際立っている」と意味の 幅も広く、何にでも「すごい」と表現するのは、言葉の選び方としては不十分です。具体的に、何が、どのように優れているのかを示す上で、「よい方向へどんどん変化している」というニュアンスを伝えるには、◯の「目覚ましい」が効果的です。「驚異的な」とも言い換えることができます。

 

 

 

 

 

 

 

(5)【うまく言い表せませんが】
意味:どちらかはっきりとは言えない状態。ネガティブな意見を伝えにくい場合に使う

 

 うまく言い表せませんが、提案は採用されないでしょう。

× 微妙ですね。提案は使われないでしょうか……。

伝えにくい話でも自分の意見を伝える気持ちがあるか

×の「微妙ですね」。このひと言自体は、実は何の内容も伝えていません。この言葉には、白黒をはっきりさせることを避ける気 持ちや、自分の責任を回避したい時に、明言を避ける気持ちが表れ ています。それに対し、◯の例「うまく言い表せませんが」を使うと、「明言はできない」という気持ちは表しつつも、その後で自分の意見を明確に伝えられます。

 

安田 正
株式会社パンネーションズ・コンサルティング・グループ代表取締役
早稲田大学グローバルエデュケーションセンター客員教授

超一流 できる大人の語彙力

超一流 できる大人の語彙力

安田 正

プレジデント社

“損する言葉"と“得する言葉"。言葉づかいの選択で残念な人生を送っていませんか? この本は、普段、あなたが使っている言葉が“損する言葉"であるか“得する言葉"であるか、ひと目で判断できる! そのような内容になっていま…

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