日本語には、「損する言葉」と「得する言葉」の2種類がある。前者は幼稚で相手の配慮が不足しているイメージ、後者が知性や教養が溢れるイメージだ。「得する言葉」を使うことで、コミュニケーションが円滑になり、仕事や人生にも好影響と著者は語る。言葉遣いを変えるだけで好印象を与える「語彙」の数々を徹底解説。本連載は安田正著『超一流 できる大人の語彙力』(プレジデント社)から一部を抜粋した原稿です。

(1)【あながち】 
意味:(後に打ち消す言葉が続いて) 100%本当だとは 決められない。必ずしも〜〜でない

 

 あながち、あの人だけが悪いとは言えない。

× 100パー(%)、あの人だけが悪いとは言えない。

話を聞く人への思いやりがあるか

パーセント(%)のことを「パー」と省略するのは、特定の 業界や業種の中で使われる表現なのかもしれません。ただ、初対面 の人や、面識がない相手に、この伝え方をしたら、どのような印象を与えるでしょうか。「100%……ない」と否定して省略する表現ではなく、◯の例のほうが、丁寧さが伝わります。また、「一概に」「まんざら」という言葉も同じような場面で使うことができます。

 

 

 

(2)【万難を排して】
意味:あらゆる障害や 困難があっても、 何としても

 

 万難を排してやり遂げます。

× ベストを尽くしてやり遂げます。

あらゆる障害を乗り越えて実行する意思あるか

○は、何かをやろうとする時、障害や問題があっても、それらを全部取り払って行うようなイメージです。困難を乗り越えて目標 を達成する、あるいはあらかじめ問題を想定し、自分もそれらの問題を乗り越えてきたという意思を伝えることもできます。一方、× の「ベストを尽くして」は、◯と比べると「障害を乗り越えて何としても」という強い気持ちが伝わらない恐れがあります。

 

 

 

(3)【率直に申しますと】
意味:ありのままで、正直に。 自分の気持ちや意見などを隠さず伝えること

 

 率直に申しますと、先に進めるのは難しいと思います。

× ぶっちゃけ、先に進めるのは難しいと思います。

相手への配慮が含まれているか

「ぶっちゃけ」とは、「打ち明ける」が崩れた「ぶっちゃける」 を省略した表現です。テレビドラマやトーク番組の影響もあり、「要するに」「実のところ」といった軽い意味でも使われています。◯ の「率直に」は、言いづらいことを伝える場面で使うことができます。「じっくり考えている」「相手に気を使っている」という配慮をしながら、「言いづらい」内容を伝えていることがわかります。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

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超一流 できる大人の語彙力

超一流 できる大人の語彙力

安田 正

プレジデント社

“損する言葉"と“得する言葉"。言葉づかいの選択で残念な人生を送っていませんか? この本は、普段、あなたが使っている言葉が“損する言葉"であるか“得する言葉"であるか、ひと目で判断できる! そのような内容になっていま…

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