サラリーマンは死ぬまで働かされる末路
企業側も、従業員が自分で稼ぐ力を身につけてくれれば、気兼ねなく諸手当を削ることができるし、人材の流動化を進めやすくなるという狙いがあるのかもしれません。
今の企業にとって、従業員を長時間労働させることは、大きなリスクになります。だから「それよりは、代替え手段を使って足りない労働力を埋め合わせたほうがいい」と考えています。
代替え手段とは、
1、外国人、主婦、高齢者など
2、AIやロボットなど
3、ダブルワーク人材
などです。特に、3番のダブルワーク人材には、企業も期待しているでしょう。能力の高い人材と、格安の報酬で契約できるからです。要は、一人を長時間働かせるよりも、早番と遅番に分けて、別の人に働いてもらったほうが、リスク分散になる、というわけです。
国にとっても、国民の収入が増えてくれれば、税収が増えるし、パンク寸前の社会保障制度も延命させることができます。何よりも、減り続けている労働人口を補うには、「同じ人に、複数箇所で働いてもらう」ことほど、素晴らしい解決策はありません。
ですから、いずれ国は、副業解禁に躊躇(ちゅうちょ)している企業に対して、何らかの形で「会社の就業規則の中に、副業禁止規定を入れてはいけない」という項目を設けてくるでしょう。国は、「多様な働き方を実現するため」に、労災保険制度も見直しを行い、「本業と副業の労働時間を通算して労災認定する」などの改正案を、2020年度中にも施行したい考えです。
このままでいけば、
・上がらない給料と残業代カット→副業(ダブルワーク)の推進
・公的年金の支給開始年齢の引き上げ→定年延長で働き続けるしかない
・ 70歳、75歳まで働くことも視野に?→税金と社会保険料を払い続ける
…といった未来が想像できます。気づけば、サラリーマンは「死ぬまで働かされる」という無限ループに、どっぷりはまり込んでいく可能性があります。
実は、これはピンチであると同時に、チャンスでもあります。こうした社会の変化を、逆手に取るのです。現状のままでは、私たちは、いつ引退できるのかを、自分で選ぶことができません。
「いつまで働けばいいのか?」「いつ辞めてもいいのか?」を自分で決められないの
は、収入経路をサラリーマン一本に頼っているからです。