どこの街に住むかの選択は、仕事やプライベートに大きな影響を与える。さらに家賃が家計支出の大きなウェイトを占めることを考えると、居住地は資産形成までも左右するといえる。総合的に考えて住みやすい街はどこなのだろうか? 20代後半から30代前半の単身会社員の住み心地を考えていこう。今回取り上げるのは、西武鉄道池袋線の「大泉学園」。

学校はないのに、なぜ「大泉学園」なのか?

「大泉学園」は東京都練馬区に位置する、西武鉄道池袋線の駅です。1日の乗降客数は8.7万人強。電車の発車メロディには『銀河鉄道999』が採用されています。

 

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大泉学園は古くからの高級住宅地として知られ、以前は「社長の多く住む街」として名を馳せました。現在は「社長が住む街ランキング」の上位には入っていませんが、大泉学園町など大泉学園エリアの大部分が、都市計画法上の風致地区に指定され、美しい街並みが保たれています。

 

そんな「大泉学園」。駅名を聞いて、「大泉学園という学校は、どこにあるのだろうか」と地図をくまなく探した人もいるのではないでしょうか。

 

都内近郊には、小田急小田原線「成城学園前」や「玉川学園前」、京王電鉄京王線「明大前」や井の頭線「駒場東大前」、東急電鉄田園都市線「駒沢大学」(大学名は駒澤大学)、東武鉄道伊勢崎線「獨協大学前」など、大学名を冠とした駅名が多く見られます。さらに東急電鉄東横線「学芸大学」「都立大学」など、かつてその地に存在した学校名がそのまま駅名に使われている例もあります。

 

西武線沿線にも、かつて存在した、東京府立中野高等家政女学校に由来する「都立家政」や一橋大学小平分校(現、小平国際キャンパス)に由来する「一橋学園」などがあります。

 

こうして見ていくと「大泉学園」にも駅名と同じ学校が近くにあるのでは、と考えることは自然なことです。確かに、かつて都立大泉学園高校(2005年閉校)があったり、いまでも公立の中高一貫校、東京都立大泉高等学校・附属中学校があったりしますが、これらは駅名に由来し学校名がつけられたもの。やはり「なぜ大泉学園という駅名になったのか」、疑問は残ったままです。

 

西武池袋線9000系//PIXTA
西武池袋線9000系/PIXTA

 

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