どこの街に住むかの選択は、仕事やプライベートに大きな影響を与える。さらに家賃が家計支出の大きなウェイトを占めることを考えると、居住地は資産形成までも左右するといえる。総合的に考えて住みやすい街はどこなのだろうか? 20代後半から30代前半の単身会社員の住み心地を考えていこう。今回取り上げるのは、小田急電鉄小田急線の「経堂」。

タクシードライバーが苦笑いする、街の欠点とは?

「経堂」は東京都世田谷区に位置する、小田急電鉄小田原線の駅です。1日の乗降客数は8万人強。各駅停車、通勤準急、急行、準急が停車します(平日朝の通勤時間帯に急行の運行はなし)。

 

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江戸時代、この一帯は荏原郡経堂在家村と呼ばれていましたが、経堂在家という名の由来については諸説あります。特に有力なのが、駅南口すぐにある「福昌寺」にまつわるもの。このお寺の正式名称は「経堂山福昌寺」といい、創建は1624年、または1626年ごろです。

 

当時、この一帯を与えられていた松原土佐守弥右衛門が僧を迎えて開基したといわれていますが、この松原土佐守は幕府のお抱えの医者で、多くの本を持っていました。当時の人は本=お経の本と思っていたので、松原土佐守が自分の屋敷内にお堂を建てた際、人々はこれを「経堂」と呼ぶようになったとか。このような経緯もあることから、現在でもこの一帯には、松原姓が多く住んでいます。

 

江戸時代には玉川上水から分水が引かれ、経堂周辺は豊かな農村として発展していました。昭和時代の初期である1927年、小田急小田原線が開通し、「経堂」駅が開業しますが、本格的に宅地化が進むのは終戦後。郊外のベットタウンとして急速に発展します。また駅南口にあった陸軍機甲整備学校跡地に東京農業大学が移転してくると、学生街としての一面を兼ね備えながら、商店も増えていきました。

 

現在の経堂は、駅南北に商店街が形成され、多くの買い物客でにぎわっています。特に駅南口の「経堂農大通り商店街」は、長さ380メートル程の通りに飲食店を中心に150を超える店舗が並びます。学生が多く行き交い、ボリューミーでリーズナブルな店が多いのも特徴のひとつです。

 

また2007年に小田急線の高架化完了により、駅前では再開発プロジェクトが進行。ショッピングモールや賃貸マンション、スポーツクラブを、緑の遊歩道で結んだ「経堂テラスガーデン」が誕生しました。ショッピングモール「コルティ」には、高級路線のスーパーやドラッグストア、雑貨店、書店、飲食店など、使い勝手のいい店舗が集まっています。

 

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