そんな街に変化が生まれたのが、1995年。東京都現代美術館がオープンすると、周辺にアート系のギャラリーやショップが次々とできて、清澄白河は「アートの街」として知られるようになったのです。
そして2000年代に入ると、地下鉄駅の開通により、交通至便な立地からマンションが次々とできて、居住地としても注目を集めます。
さらに注目を集めたのが、2015年。サードウェーブコーヒーの代名詞的存在である、「ブルーボトルコーヒー」が、アメリカ国外初の店舗として「清澄白河ロースタリー&カフェ」(現在の名称は「清澄白河 フラッグシップカフェ」)を開店。ニュージーランドに本社がある「オールプレス・エスプレッソ」の「東京ロースタリー&カフェ」など、次々と注目のショップがオープンし、清澄白河は「コーヒーの街」という一面も手に入れます。今では、アートにコーヒーにと、遠方からファンが訪れる、東京でもおしゃれな街として知られるようになりました。
この街にギャラリーやコーヒーショップなどが増えたのは、清澄白河の歴史に深く関係しています。清澄白河には、社会構造の変化とともに、物流機能を失った空き倉庫が多数残っていました。倉庫は、天井は高く柱は少ない、広いスペースが確保できます。その空間がギャラリーにはうってつけだったのです。また匂いや煙がこもらず、焙煎機もおける広々とした空間は、コーヒー店にもぴったりでした。
無機質な倉庫は自由自在にリノベーションするにも適し、個性豊かに生まれ変わった空間は、建築・インテリア関連のメディアで話題に。都内でも洗練された、最先端のショップが集まる街として注目されるようになったのです。
都心へ好アクセス、意外にも“食”では物足りなさあり
下町の風情を残したままモダンな街へと生まれ変わった「清澄白河」。単身の会社員の居住地としてはどうでしょうか。駅周辺の家賃相場をみていきましょう。駅から徒歩10分圏内の1Kの平均家賃は9.44万円(図表1)。同条件の東京都江東区の家賃水準は、駅10分圏内8.35万円。「清澄白河」駅周辺の家賃相場は、江東区平均よりも高水準です。
厚生労働省が発表している「賃金構造基本統計調査」によると、都内勤務の男性会社員の平均月給は、25~29歳で27.5万円、30~34歳で34.1万円です(図表2)。企業規模によって平均給与は異なりますが、そこから住民税や所得税などを差し引いた手取り額の1/3以内を適正家賃と考えると、都内勤務20代後半は6.9万円、都内勤務30代前半は8.5万円です。
「清澄白河」駅周辺は、一般会社員の適正家賃を超える家賃水準です。大手検索ポータルサイトで、30代会社員の適正家賃内、徒歩10分圏内を条件で検索してみると、数は多くはありませんが、いくつかの単身者向け物件がヒットします。その3割が築30年以上の築古物件ですが、1割は新築や築5年以内の築浅物件。築年数の浅い物件は収納が少々狭いながらも、バス・トイレ別、オートロックなど、今どきの賃貸ニーズに応える物件です。
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