ウェブマーケティング業界は楽して儲けようという人が多いと指摘するのは後藤ブランド社長の後藤晴伸氏だ。「高い費用をかけても売り上げは伸びなかった」「報告書を読んでも、担当者に聞いても何をしているのかわからない」「契約したとたん対応が悪くなった」……。同業者にとって耳の痛いウェブマーケティングの実態を暴き、本当の魅力を伝える。本連載は後藤晴伸著『増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番』(幻冬舎MC)の抜粋原稿です。

効果検証・分析をしていないから改善提案ができない

ウェブマーケティングの成果が出ていない企業を訪問すると、必ずといっていいほど聞くのが「提案をしてこない」という不満の声です。

 

なぜ提案がないのかといえば、運用をせずに放置してしまっているので、新たな提案をするために必要となる現状の効果検証をしていないからです。不満が出るたびに改善につながるような提案を次々にする自信もないし、契約期間を長く引き延ばしたいために、たまに提案らしいことを言うことがあってもなるべく小出しにしていきます。

 

後藤晴伸著『増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番』(幻冬舎MC)
後藤晴伸著『増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番』(幻冬舎MC)

リスティング広告の場合、成果につながらない理由としては、キーワードの選び方を間違えている、広告を見せたいターゲットがきちんと絞り込めていない、広告のリンク先のサイトに行っても興味を引く内容になっていない、といったことが考えられます。

 

広告の掲載を始めると、たとえばグーグルアナリティクスのようなツールを導入すれば、訪問者が閲覧しているページ数、サイトに来てもすぐに出て行ってしまった訪問者の比率、1回の平均滞在時間などさまざまなデータが得られます。その結果をもとに、どこにどんな問題があったのか仮説を立てることで、次のステップに向けた提案ができます。この「効果検証→仮説→提案→実施→再び効果検証……」のループを繰り返していくのがウェブマーケティングの正しいやり方です。

 

この広告は効果がなかったけれども、原因が想定できるから次はやり方を変えてみよう。一方であの広告は成果につながっているので、予算を増やしたほうがいい――。

 

こんなふうに提案してくれれば、クライアントも今度はうまくいくかもしれないという期待が持てるようになります。

 

詳しくは追って解説しますが、ウェブマーケティングを展開するにあたっては、リスティング広告やSEOのほかにも利用できるさまざまなサービスがあります。クライアントの事業分野、市場や顧客といった状況に応じて、また何を目指すかに合わせてそれらを組み合わせて運用していかないと、なかなか効果的なウェブマーケティングは実現できません。

 

しかしリスティング広告やSEOを単品で扱っている多くの会社は、自分たちの商品をいかに売るかということしか頭にありません。ですから仮に効果検証をしたとしても、総合的な視点からの提案はできないのです。

 

後藤 晴伸

後藤ブランド 社長

増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番

増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番

後藤 晴伸

幻冬舎メディアコンサルティング

業界を知り尽くした著者がウェブマーケティング業界の闇を暴露する衝撃の一冊。 インターネットがビジネスでも必須の存在となり、ウエブを活用した賞品宣伝や集客が当たり前になり、検索順位を上げたり、広告から商品の購入に…

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