兄弟で仲よく事業を継いでほしかった父だが、兄によるクーデターが勃発!? 本記事は、和田晢幸氏の著書『たった半年で次期社長を育てる方法』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

兄弟2人で仲よく会社を経営してほしかったが…

いくつもの領域で事業を手掛けているA社。創業は1955年で、もと元は自転車店でしたが、創業者のO氏は積極的に事業領域を拡大し、飲食店や清掃業など、さまざまな分野に進出していました。

 

O氏にはT氏とK氏という2人の息子がおり、両名ともA社の執行部に勤務していました。O氏としては、ゆくゆくは兄弟2人に事業を譲り、仲よく会社を経営していってほしいという希望がありました。

 

兄のT氏は、30代後半で専務となり、実質的には経営の全権を担う立場で会社運営を行っていました。弟のK氏は取締役として、兄をサポートしていました。

 

それまでは、T氏とK氏の兄弟仲はさほど悪くはありませんでした。性格がまったく違うことも、互いにない視点を補い合う長所として機能していました。

 

しかし、事業承継の段階になると、この兄弟仲に大きな亀裂が入ります。

 

徐々にT氏に権力を譲ってきていたO氏は、事業承継時には名目上の代表者というポジションにありましたが、継承後の経営を巡って、T氏と対立しました。T氏とO氏は経営者タイプも職種タイプも違うこともあって、事業に対する考え方が根本から異なっていましたが、それに加えてお互いに自分の考えを曲げなかったことも、衝突の原因でした。

 

O氏はむしろ弟のK氏と考え方が近く、経営者タイプも職種タイプも同じでしたが、後継者としてはやはり兄であるT氏を推そうと考えていました。あくまで兄弟一緒に会社を盛り立ててほしかったので、K氏にはT氏をサポートし、会社を盛り上げてくれるよう、重ねて頼んでいました。

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