大和証券、日興証券、野村證券を渡り歩いた原田茂行氏は、顧客資産1660万円を12億5000万円まで増やしたアナリストです。本記事では、同氏がバブル時代を振り返り、現在の市況について見解を述べます。 ※本連載では書籍『株オタクの現役IFAが指南!本当に儲かる「株」講座』(幻冬舎MC)より一部を抜粋。過去の波乱相場から学ぶ株式の正攻法や、投資に失敗する人の共通点、銘柄データのチェックポイントまで、「暴露話に近い」ノウハウを解説します。

新しい株価の指標=現状を納得させるための「力技」

1990年3月、「総量規制」と呼ばれる規制を発動。高騰を極めた地価を冷ますための処置だったのですが、これがとどめの一撃となり、昭和バブルが一気に崩壊しました。

 

追い討ちをかけるように、1990年8月30日に政策金利はついに6%へ引き上げられます。これを頂点として政策金利は下げられていくのですが、景気は依然として後退したまま。1992年8月18日に日経平均は1万4309円をつけています。

 

■新指標誕生は崩壊の予兆?

 

政策金利の引き下げをきっかけにバブルが始まり、政策金利の引き上げによってバブル崩壊が始まりました。株式市場と金利との相関関係というのは非常に強いものなのです。金利変動の影響を受け、相場が調整される局面は、いかなる状況でも大なり小なり必ず来ます。国や日本銀行が発する金融施策関連のニュースからは常日頃から目を離さないようにしましょう。

 

また、昭和バブルの最中にQレシオが誕生したように、新しい株価の指標が流行り出したら相場により敏感になっておくようにしましょう。Qレシオのような新指標は、PERがあり得ないところまで上昇してしまったような、行き過ぎた現状を納得させるための力技、こじつけの節がないとはいえません。私の経験上の話ですが、だいたいそのような新指標が出てくると相場は下落していきます。

 

さて、2020年初旬現在の日本経済も、昭和バブルの頃のように日経平均は右肩上がりです(新型コロナウイルスの影響でどれほど相場が変化するのか、これを書いている段階では不明ですが、厳しい局面が来ることも想定されます)。もしかしたら現在の相場もバブル的な要素があり、いずれ弾けて崩壊する可能性も捨て切れません。

 

ただ上昇スピードは昭和バブルよりも穏やかで、およそ10年の年月をかけてじっくりと伸び続けています。リーマンショックの影響で2009年当時があまりにも水準が低かったのと、最近の0%に近い政策金利によって、ここまでの上昇相場ができ上がっているものと考えることができます。さらに細かく見てみると、昭和バブルの頃の上場企業全体のPERが80倍ほどだったのに対し、現在は15倍前後となっていて、株価は割高でも割安でもないリーズナブルなお値段となっています。

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株オタクの現役IFAが指南!本当に儲かる「株」講座

株オタクの現役IFAが指南!本当に儲かる「株」講座

原田 茂行

幻冬舎メディアコンサルティング

オタク的に株を愛する著者が導き出した「足で稼ぐ」投資とは――ヘタなテクニカル分析は時間とお金のムダ!? 「推し銘柄」は決算説明会や展示会でこそ出会える! 過去の波乱相場から学ぶ株式の正攻法や投資に失敗する人の共通…

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