「何を買っても儲かった」今は懐かしき昭和バブル
■株式市場の温故知新
私は過去の相場から学べることは数限りなく存在すると思っています。例えば本稿を執筆している2020年初め、新型コロナウイルスが流行し、相場にも変化が起きています。
過去にもウイルスに端を発した波乱相場というのは幾度か訪れていて、その時と今回とでは似ているところがいくつもあります。相場全体の動きの推移をはじめ、上がった銘柄、下がった銘柄の特徴など、参考にできる点がいろいろあるのです。つまり、過去の似た例を参考にして波乱の相場に対処することで、大きなリスクを回避することができるというわけです。
株式投資において、温故知新は非常に大切なことであり、これをせずに相場で大成することは不可能だと思います。
上がった銘柄や下がった銘柄など個々の株価について復習することも大事ですが、そのような波乱が生まれる要因について知ることも重要です。また、それら過去の教訓から、どういう取引をすることで損をせず、利益を出せるのか、その正攻法が学べるのも、相場を振り返るメリットになります。
書籍『株オタクの現役IFAが指南!本当に儲かる「株」講座』の講座3にあたる本記事では私が実際に経験した特異な相場、波乱の相場を振り返りつつ、それらに対処するための正攻法について知っていただきます。
まずは昭和バブルから、学べることを抽出していきましょう。
■きっかけはプラザ合意からの低金利政策
昭和バブルが発生したきっかけは1985年9月22日、ニューヨークのプラザホテルで行われた5カ国蔵相会議。一般的には「プラザ合意」と呼ばれています。当時は世界的にドル高が著しい為替相場で、これを是正するための合意が5カ国間でなされたのです。