成功3つの鍵「先を読む力」「論理的思考力」そして…
私は2010年ごろから囲碁をたしなんでいます。プロの囲碁棋士を養成する日本棋院に所属していた元院生の方に2年ほど、直接教えてもらった経験もあります。その甲斐もあり、2019年11月に開かれた日本棋院と宝酒造主催の「宝酒造杯 囲碁クラス別チャンピオン戦」の三段戦で3勝2敗の成績をおさめ、三段の資格を取ることができました。
囲碁で培う力は、投資にも活かすことができると常々感じています。その力とはすなわち、先を読む力、論理的思考力、決断力です。
■3つの力が投資にもたらすもの
投資において先を読む力は非常に重要です。この先1年後、5年後、20年後、何が起こるのかを先読みすることで、今何に投資すべきかが見えてきます。
囲碁はルールを知らない人から見ると、黒と白の石が意味もなく並べられているだけに思われがちですが、実のところ打たれた石一つひとつに意味があります。緻密な論理的思考の結晶が、盤上に表現されていく競技です。なぜそこに石を打つのか、棋士の頭の中で常に吟味されています。時に時間をじっくりかけて熟考して、次の一手を決めることもあります。
投資においても同様で、なぜ買うのか、なぜ売るのか、そこには必ず意味がなければいけません。
雑誌に書いてあったから。テレビでアナリストが紹介していたから。証券会社に勧められたから。そんな理由で買うのは、私からすれば論理的とはいえません。
市場の気配に惑わされ、勢いで取引しているようでは、ただやみくもに的外れなところへ石を打つのと同じで、自ら敗北を引き寄せているに過ぎません。
株価の位置、将来性、配当、割安かどうかなど、時間をかけ論理的に判断するべきです。決断力も囲碁と投資で共通している重要な力です。
囲碁が決断の連続であるように、株式投資も毎回決断しています。どのタイミングで買うべきか、ここで損切りしたほうがいいのかなど、常に決断を迫られています。その銘柄の成長ストーリーが変わってしまい、買ったときよりも価値が下がってしまい、本当は売却したいのに、損切りを決断できない人は多くいます。優柔不断は株式投資にとって不要な足かせです。
決断力を鍛えることが、投資パフォーマンスを向上させる手立てとなることでしょう。私の投資実績が年々上がっているのも、囲碁を始めたことが要因の一つだと思います。先を読み、論理的思考で、決断する。各能力を引き伸ばし投資で成功するのに、囲碁は最適な教材です。
次回は明日(7/30)配信。
※本記事は書籍『株オタクの現役IFAが指南!本当に儲かる「株」講座』を抜粋したものです。
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原田 茂行
IFA/自由が丘財産コンサルタンツ合同事務所代表/一般社団法人シニアウェルスライフ協会代表理事