実際に故人のパソコンデータの復旧をする事業者もいます。相続人がネットバンクのアカウントを知りたがって依頼するケースや、相続でもめた場合に遺言書の信頼性を検証するためにデータの復旧を依頼するケースなどがあるようです。
遺族がこういったサービスを利用すれば、データは簡単に復旧されてしまうでしょう。フリーメールなどは、妻にアカウントを探し当てられたら、メールの内容などを読まれてしまうことになります。
細かくデジタルデータの処理を指示・依頼しておく
確実を期すためには、死後事務委任契約にデジタルデータの処理や利用していたサービス全般への対応を依頼しておきましょう。
【依頼する事柄の例】
①メール
プロバイダメール、フリーメールともにアカウントとパスワードを送っておき、データの消去とアカウントの消去、プロバイダ契約の解除などを行ってもらう。また死亡したことをメールで知らせたい人がいる場合は、その旨を伝えておく
②社長が運営するサイト
閉鎖する場合は、利用者への通知やサイトの消去、サービス提供会社への連絡と契約解除。発信する情報を購読する読者がいる場合は、契約の解除と代金の返金や精算をしてもらう
③ネット通販
利用しているネット通販のIDとパスワードを送っておき、退会や会員情報の削除、購入履歴の抹消などをしてもらう
④SNS
アカウントを送っておき、退会手続きをしてもらう。交流のあった人にメッセージを送りたい時には、その旨も依頼する
佐野 明彦
新月税理士法人 代表社員