日本には「知らぬが仏」という言葉がある通り、秘密にすることによって穏便に事を済ませようとする文化がありますが、相続が発生すると状況は一変します。隠しごとが原因で、家族がお金の問題や人間関係のトラブルにいきなり直面することになるのです。隠しごとの処理はひとりで悶々と考えていてもどうしようもありません。本記事では、自身の死後の事務作業を委託することのできる「死後事務委任契約」について取り上げます。

 

実際に故人のパソコンデータの復旧をする事業者もいます。相続人がネットバンクのアカウントを知りたがって依頼するケースや、相続でもめた場合に遺言書の信頼性を検証するためにデータの復旧を依頼するケースなどがあるようです。

 

遺族がこういったサービスを利用すれば、データは簡単に復旧されてしまうでしょう。フリーメールなどは、妻にアカウントを探し当てられたら、メールの内容などを読まれてしまうことになります。

細かくデジタルデータの処理を指示・依頼しておく

確実を期すためには、死後事務委任契約にデジタルデータの処理や利用していたサービス全般への対応を依頼しておきましょう。

 

デジタルデータは死後事後委任契約で消去
デジタルデータは死後事後委任契約で消去

 

【依頼する事柄の例】

 

①メール

プロバイダメール、フリーメールともにアカウントとパスワードを送っておき、データの消去とアカウントの消去、プロバイダ契約の解除などを行ってもらう。また死亡したことをメールで知らせたい人がいる場合は、その旨を伝えておく

 

②社長が運営するサイト

閉鎖する場合は、利用者への通知やサイトの消去、サービス提供会社への連絡と契約解除。発信する情報を購読する読者がいる場合は、契約の解除と代金の返金や精算をしてもらう

 

③ネット通販

利用しているネット通販のIDとパスワードを送っておき、退会や会員情報の削除、購入履歴の抹消などをしてもらう

 

④SNS

アカウントを送っておき、退会手続きをしてもらう。交流のあった人にメッセージを送りたい時には、その旨も依頼する

 

 

佐野 明彦

新月税理士法人 代表社員

妻に隠しごとがあるオーナー社長の相続対策

妻に隠しごとがあるオーナー社長の相続対策

佐野 明彦

幻冬舎メディアコンサルティング

どんな男性も妻や家族に隠し続けていることの一つや二つはあるものです。妻からの理解が得にくいと思って秘密にしている趣味、誰にも存在を教えていない預金口座や現金、借金、あるいは愛人や隠し子、さらには彼らが住んでいる…

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