本連載は、不動産の売買・交換、相続税、贈与税などの分野で積極的な問題解決を提案している税理士・鈴木高広氏の最新刊、『税額はこれだけ変わる!平成28年度税制対応 納税対策Q&A 不動産・相続編』(ビジネス教育出版社)の中から一部を抜粋し、不動産にまつわる税金対策の基礎知識をご紹介します。

同一生計親族に支払う家賃は必要経費にならない

Q.わたしは、父(同一生計親族)が所有する建物を借りて、事業を行っています。父に支払う家賃は、わたしの事業所得の計算上、必要経費になりますか? また、父にとっては、不動産所得の収入金額になるのでしょうか?

 

 

A.同一生計親族(父)に家賃を支払ったとしても、それは必要経費にはなりません。一方、同一生計親族(子)から家賃を受け取っても、所得の計算上、なかったものとみなされます。

父子が同一生計でなければ必要経費に

ただし、本来、父の必要経費であるその建物の固定資産税や修繕費、減価償却費などは、子の事業上の必要経費とすることができます。

 

仮に、父子が同一生計ではない場合には、父に支払った家賃は、子の事業所得の計算上、必要経費になり、父は受け取った家賃を不動産所得の収入金額とし、固定資産税や修繕費、減価償却費などを必要経費とします。

税額はこれだけ変わる! 平成28年度税制対応 納税対策Q&A 不動産・相続編

税額はこれだけ変わる! 平成28年度税制対応 納税対策Q&A 不動産・相続編

鈴木 高広

ビジネス教育出版社

ゴール(目的)は同じでも、通る道によって途中でこぼれる税金は異なります。 本書では、「不動産の賃貸・売買」と「相続」に着目して、単に税法上の特例の解説ではなく、実例をもとに各種対策を紹介しています。 納税を有利…

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