サラリーマンの不動産所得――損失で税金は還付されるのか?

本連載は、不動産の売買・交換、相続税、贈与税などの分野で積極的な問題解決を提案している税理士・鈴木高広氏の最新刊、『税額はこれだけ変わる!平成28年度税制対応 納税対策Q&A 不動産・相続編』(ビジネス教育出版社)の中から一部を抜粋し、不動産にまつわる税金対策の基礎知識をご紹介します。

投資物件購入で初年度は損失が出る見込みだが・・・

Q.わたしはサラリーマンですが、今年はじめに自己資金と銀行借入金で投資用マンションを購入し、賃貸しています。今年の不動産所得は、初年度で初期投資も多かったので、損失になります。確定申告をして、その損失と給与所得とを通算すれば、税金が還付されるとのことですが、どうなのでしょうか?

 

[マンションの取得価額]

[不動産所得]

 

A.不動産所得の損失のうち、土地の取得に要した借入金の利子の額からなる部分は、他の所得と通算することができません。しかし、通常、このマンションのように、借入金が土地と建物のどちらに対するものか区分できません。

 

したがって、このような場合には、借入金は、まず優先して建物の取得に充てられたものとして計算することができます。

 

[解説]

 

 

損益通算により給与の源泉徴収税額から還付される

確定申告をして損益通算(2種類以上の各所得の黒字と赤字とを差引計算すること)をすることにより、課税される所得が55万円減少しますので、給与から源泉徴収されていた税額から還付を受けることになります。

 

給与所得が多ければ、適用されている税率も高いので、その分還付される金額も多くなります。

 

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連載<平成28年度税制対応>ケースで見る不動産賃貸の節税対策

株式会社アウェイクコンサルティング 代表取締役
税理士法人アウェイク総合会計事務所 代表社員税理士 

昭和60年青山学院大学経営学部卒業。メーカー系販売会社に入社。主として販売企画業務に携わる。平成9年(株)タクトコンサルティング本郷会計事務所入社。相続、譲渡、交換、事業承継、土地活用、M&A等に関する実務および企画、研究、講演、執筆等を担当する。
平成16年 株式会社アウェイクコンサルティング、アウェイク総合会計事務所を設立、代表取締役に就任。個人、企業が抱える問題に対して、正確な分析に基づいた「生前贈与」「不動産の交換・買換え」「貸地・借地の整理」「各種保険の活用」「合併・清算」などの各種対策の提案を行い、問題解決の早期実現をサポートしている。

著者紹介

税額はこれだけ変わる! 平成28年度税制対応 納税対策Q&A 不動産・相続編

税額はこれだけ変わる! 平成28年度税制対応 納税対策Q&A 不動産・相続編

鈴木 高広

ビジネス教育出版社

ゴール(目的)は同じでも、通る道によって途中でこぼれる税金は異なります。本書では、「不動産の賃貸・売買」と「相続」に着目して、単に税法上の特例の解説ではなく、実例をもとに各種対策を紹介しています。 納税を有利に…

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