自分の髪が生えた!でもまだカツラを外す勇気はなく…
「こんなにいいことだらけの手術なのであれば、思いきってやってみよう」そう考えて、私は手術へ踏み切りました。そして2009年、「MIRAI法(FUE法)」で、まず2000株の植毛手術を受けたのです。その結果は満足のいくものでした。最初に話に聞いていた通り、痛みもほとんどなく、傷跡が残る心配もありません。そして時間が経つうちに、移植した部分に髪が生えていくのを感じることができたからです。
クリニックでは手術前と後の「ビフォー・アフター写真」を撮っておいてくれました。それを私ももらって見ましたが、術前の髪の薄さと術後の髪の豊かさは明らかな違いでした。自分でも「こんなに薄かったんだ!」と今さらながら驚き、さらに「でも、こんなに増えたんだ!」とまた驚きと喜びを感じたものです。
こうして植毛手術により、私の髪は増えました。でも実は、私はまだカツラをかぶり続けていたのです。
私がそれまでつけていたカツラは全体にかなりボリュームのあるものでした。年齢からしても、髪が豊かすぎるほどたっぷりしたものだったかもしれません。そのため、植毛をしてかなり髪が増えたといっても、そのカツラほどのボリュームには至っていませんでした。だから、いきなりカツラを外したら、それまでカツラであったことも、それを外したことも、人にバレてしまいます。だから私はその時点では、まだカツラを取ることができなかったのです。