「皮膚ごと切り取る」驚愕の手術を前に…

育毛剤は効かない。カツラをかぶっているのはストレス大だし、根本的な解決にはならない。どうにかならないのか!?　そんな思いが私の中に渦巻いていました。そのため薄毛やその対策について、よくネットで検索をし、情報を集めていました。その中で、自毛植毛について知ったのです。

自分の髪の毛を、ある部分から薄い部分へ移植するという方法には興味を持ちました。そうすればカツラでもない、人工でもない、自分自身の髪が生えてくる。それこそが薄毛の根本的な解決になると感じたからです。「なるほど、こういう手段もあるのか」と感心したものですが、その頃はまだ、まさか自分が植毛手術を受けるとは思っていません。そして私はまだカツラをかぶり続けたままでした。

植毛をまだ我がこととして考えられなかった大きな理由の一つが、当時の手術方法です。その頃、一般的だったのは「FUSS法」という手術。ネットなどで得た情報によると、それは後頭部から髪の毛の株を皮膚ごと帯状に切り取るというものでした。

その皮膚から毛の株を取って、薄毛の部分へ移すという方法は納得がいきましたが、やはり頭を切る、皮膚を切り取るということには抵抗がありました。そこですぐには植毛を考えられなかったのです。

ところが、ちょうどその頃、新しい手術の方法についてもネットに情報が出回り始めていました。それが「FUE法」です。これは頭を切らずに済み、縫わずに終わる手術だと知って、とても興味を持ちました。