「何の不安もありませんでした。」私が初めてカツラを外した日

不安だらけだった植毛手術。トータル5回も…

このとき初めて先生に会いました。どんな先生かと興味を持っていましたが、会った印象はとても優しい人。話し方も穏やかで温かく、誠実で、ほっとしました。

実は、先生にはこのとき以来、トータル5回の植毛手術をしていただくことになります。いつも手術前の説明や話し合いはとても丁寧に行われますが、特に初回のこのときは、非常に慎重な説明をしていただきました。

どういう方法を用いた、どんな手術であるか。髪をどういうふうに自然な形にしていくか。それが将来的にはどのような形になっていくか。一方、髪が残っている後頭部から毛根を取り、足りない頭頂部へ移すわけだから、本数自体が増えるわけではない。そして後頭部は当然、髪の本数が減る。

そうしたことを無理なく、慎重に行っていくのだということを、先生はとても丁寧に、誠実に話してくださいました。だから私も心から理解と納得ができ、安心できたのです。

当初、手術を受けることには不安もありましたが、先生と話すうちに、不安要素は消えていきました。その理由は、まずやはり「切る手術ではない」ということ。いくら髪を増やすためであっても、大事な頭の皮膚を切るというのは、どうしても不安や怖さがあるし、術後の痛みや傷跡なども心配です。でもFUEなら切らないし、縫わないというのが、安心できた一番の決め手でした。

それに、FUEの方法自体も納得がいくものでした。自分の髪の毛根を取って、それを必要な部分へ移すというのは合理的であるし、効率がいい。何より自分自身の髪が根づいて、また生えてくるのだとしたら、こんなにいいことはありません。それも手術を決めるための大きなメリットでした。