どこの街に住むかの選択は、仕事やプライベートに大きな影響を与える。さらに家賃が家計支出の大きなウェイトを占めることを考えると、居住地は資産形成までも左右するといえる。総合的に考えて住みやすい街はどこなのだろうか? 20代後半から30代前半の単身会社員の住み心地を考えていこう。今回取り上げるのは、JR根岸線と横浜市営地下鉄の接続駅「桜木町」。

近代的な東、昭和的な西…2つの顔をもつ街

「桜木町」は横浜市中区に位置する、JR根岸線と横浜市営地下鉄のブルーライン(3号線)の接続駅。JR駅の1日の乗車数は7万人強、地下鉄駅の乗降客は4万人弱です。

 

もともと「桜木町」駅は、初代「横浜」駅。現在の汐留にあった、初代「新橋」駅との間に、日本初の鉄道が走ったのは1872年のこと。1914年には、二代目「横浜」駅が別にできたことがきっかけとなり、現在の駅名に改称されました。

 

駅周辺は、鉄道用地として埋め立てられたことによって誕生しましたが、この造成地と元々の海岸線の間は河川となり「桜木川」と名付けられました。次第にこの川沿いに街が発展していくと、その一帯は「桜木町」と呼ばれるように。一方で河川はのちに「桜川」と名前を変え、やがて埋め立てられてしまいます。現在の「新横浜通り」は、通称「桜川新道」と呼ばれていることからわかるように、桜川の跡地に造られた道路です。

 

かつてはみなとみらい地区へアプローチする最寄り駅であり、東急電鉄東横線の終着駅でもありましたが、横浜高速鉄道みなとみらい線の開業で、東横線の「横浜」~「桜木町」間は2004年に廃止。廃線跡では高架線を有効活用した遊歩道を整備する予定です。また高架下を利用した駅併設の商業施設「CIAL桜木町」もオープン。30店ほどのテナントがはいる商業施設で、みなとみらい側は初代駅舎の三角屋根を表現したり、船のマストに見立てた天蓋が施されたりと、港町らしい造りになっています。

 

さらに駅前から横浜ワールドポーターズ前の運河パークまで、ロープウェイで結ぶ計画も。2020年度末の開業を目指し、整備がすすめられています。600m強を片道2~3分ほどで結ぶ予定です。

 

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駅東側は、横浜と聞いて多くの人がイメージする「みなとみらい」。「コレットマーレ」「ランドマークプラザ」などの商業施設、オフィス、ホテル、遊園地などの娯楽施設などが集積した近代的な都市空間が広がり、多くの観光客でにぎわっています。

 

一方駅西側は、【この記事の写真を見る】からもわかるように、昭和感あふれる街並みが広がります。「野毛飲食店街」は居酒屋を中心に約500店舗が集まる飲食街で、いわゆる「せんべろ」のファンからも熱い支持を集めるエリアです。

 

「桜木町」は、最新の『住みたい街ランキング』で32位。横浜市内でも支持の厚い街です。駅の東側と西側でまったく違う表情を見せてくれる、その二面性が人を惹きつける要因かもしれません。

 

妖しさも魅力の野毛
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