お金持ちは、「入るを量りて出ずるを制す」
さあ、ここからは「儲かっている社長」、そして「お金をどんどん増やし続けられる〝お金持ち〞 」に共通する真理をお話ししていきましょう。
多くの人は「お金持ち」というと、派手に稼いでいる人を思い浮かべます。確かに、収入が多ければ、それだけお金持ちになる確率は高いでしょう。
でも、入ってきた分、もしくはそれ以上、散財してしまうのであれば「稼ぐ人」であるかもしれませんが、「お金持ち」にはなれません。
「入るを量りて出ずるを制す」という言葉があります。これは「入ってくるお金を計算し、それに見合った支出をする」という意味です。
お金持ちになり、お金をどんどん増やしていける人は、この言葉のように「自己管理できる人」です。たとえ今は収入が少なくても、「入るを量りて出ずるを制す」習慣があれば、コツコツと貯金することができるでしょう。
このあとでもお話ししますが、残念ながら「貯金だけ」で大きな資産を築く人はいません。でも、貯金はお金持ちになるための重要な第一ステップです。
より大きなお金を生み出すためにも、その元になるお金がなければ話になりません。
「お金持ちになりたい!」という人は、とかく一攫千金を狙いがちです。でも、「入るを量りて出ずるを制す」ことが身についていなければ、どれだけ大きなお金を手にしても一瞬で失ってしまうでしょう。
宝くじの高額当選をした人のうち、9割はその後、破滅するといわれているのがよい例でしょう。
実は、私の知り合いで、宝くじで7000万円当選したサラリーマンがいます。
当時、この男性はまだ30歳。まだまだ働き盛りだったのに、両親の介護を理由に会社を辞めてしまいます。
また、当時はバブルの絶頂期だったこともあり、結婚して新婚旅行に500万円も使っていました。夫婦でグルメ旅行にはまってしまい、1カ月に100万円も使っていたようです。
しかし、そんなお金の使い方をしていたせいで、間もなく7000万円を使い果たしてしまいます。
その間、何度も宝くじを買い続けたようでしたが、その後は当選した様子はありませんでした。
私が提案したように、当選金は貯金をして高い利息を稼ぎ、バブル崩壊後、収益不動産を購入していたら、今頃はバラ色の人生だったかもしれませんね。
企業経営者でも同じです。
会社の利益が上がっていないのに、自分のボーナスを欲しがる社長は、「会社に入ってくるお金を計算し、それに見合った支出をする」ことができていません。そんな会社はあっという間に倒産します。
私は、福井で時給300~400円のうどん屋さんのバイトをしていたときから「質素倹約」を心がけ「ほしいもの」ではなく「どうしても必要なもの」だけを買うようにして、将来のための貯金に励んでいました。
生きていくためにほんとうに必要なものは、実はそう多くありません。
「衣食住」にしても、栄養などを考えたうえで最低限に抑えれば、たとえ時給300円のアルバイトでも心がけ次第で貯金をすることはできるのです。そんな生活のなかでも、心がけ次第では楽しく幸せな時間を見つけられますよ。
鳥山 昌則
税理士法人とりやま財産経営 代表
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