「儲かっている社長」には必ず儲かる理由があるという。そば屋の住み込みから160億円を超える不動産を所有するまでになった税理士大家の鳥山昌則氏の『家賃収入11億円の税理士大家がこっそり教えるお金の増やし方』(現代書林)から一部を抜粋し、どんどんお金を増やす人の考え方や行動特性を紹介する。

自分の信念に反するなら断る勇気を持っている

「三方よし」の考えは、商人にとってとても大切です。しかし、なんでもかんでも社会やお客さんを優先し、へりくだって言うことを聞けばいいというわけではありません。

 

「儲かっている社長」は、自分なりの信念を持ち、その信念に反することを要求されたときは断る勇気も持っています。

 

あるとき、顧問契約先の消費税還付の手続きが終わったあと、社員が契約書を交わしていなかったことが判明しました。

 

すでに還付金を受け取ったお客さんとしてみれば、手数料を全額支払うのが惜しくなってしまったのでしょう。担当者に「安くしてほしい」と交渉してきました。

 

 

裁判に持ち込んでも、半額取り戻せるか、もしかしたら裁判費用のほうが上回ってしまう。しかし、そもそも会計事務所では、数年前まで契約書をしっかりと交わす習慣がなかったので、忘れてしまったものは仕方がない。

 

私は「しょうがないから、300万を150万におまけしてあげて。その代わり、すぐに支払ってもらって、今回の契約書はしっかり交わしてくださいね」とスッキリ終わりにしたのです。

 

ただし、お客さんには「今までの顧問契約を見直させてくださいね」と、顧問料・決算料の値上げをお願いしました。

 

「入るを量りて出ずるを制す」習慣があれば大丈夫。
「入るを量りて出ずるを制す」習慣があれば大丈夫。

企業は利益を得なければ、社員に給料を払えませんし、会社の存続も危うくなる。そんな危険を冒してまで、お客さんの言うことをすべて聞く必要はないのです。

 

「ここまでは、こちらが引くけど、これ以上はムリ」という自分の信念に従って、こちらからの希望も伝える。もし、それを受け入れられないのであれば、断るという選択もあるでしょう。

 

社員やお客さん、社会のためになることを考えながらも、自分と会社を守るための信念は貫き通す――こんなスタンスでブレずにいれば、「儲かっている社長」であり続けられるのではないでしょうか。

 

私はいつも朝礼で、「事務所はお客さんの上でも下でもなく、対等に提案する立場です」と、社員に話しています。

 

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家賃収入11億円の税理士大家がこっそり教えるお金の増やし方

家賃収入11億円の税理士大家がこっそり教えるお金の増やし方

鳥山 昌則

現代書林

そば屋の住み込みバイトから160億円の不動産を所有するまでになった税理士大家さんがお金の増やし方を指南する。 保有している物件の資産価値は160億円、物件数は80棟、800戸。年間11億円の家賃収入を得ている一方で、5つの…

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