どこの街に住むかの選択は、仕事やプライベートに大きな影響を与える。さらに家賃が家計支出の大きなウェイトを占めることを考えると、居住地は資産形成までも左右するといえる。総合的に考えて住みやすい街はどこなのだろうか? 20代後半から30代前半の単身会社員の住み心地を考えていこう。今回取り上げるのは、京王線「府中」駅。

「由緒正しい神社」と「競馬」の街…再開発で激変

「府中」駅は、東京都府中市に位置する、京王電鉄京王線の駅です。東京多摩地域の拠点都市である府中市の中心駅で、1日の乗降客数は約8.8万人です。

 

「府中」という地名は、その漢字の通り。「府」は政庁の意味で、その「中」ということから、中央政庁から由来します。中大兄皇子と中臣鎌足が蘇我氏を排除した大化の改新後、律令制が敷かれた際、東京と埼玉と神奈川の一部は「武蔵国」とされ、その国府が府中に置かれました(国府は今でいう県庁所在地のようなものです)。

 

府中の街の中心にある「大國魂神社」は武蔵国の総社であり、第12代景行天皇41年、西暦はなんと111年と、想像もつかないくらい大昔に創建されました。国の天然記念物に指定されている参道の「馬場大門のケヤキ並木」は、1062年に源頼義・義家父子が、欅の苗1,000本を寄進したことに由来するなど、とにかく何から何まで由緒正しいエビソードが満載です。

 

もうひとつ、府中と聞いて思い浮かべるのが、「東京競馬場」。最寄り駅は京王競馬場線「府中競馬正門前」駅のほか、JR南武線・武蔵野線の「府中本町」駅から専用歩道が用意されていますが、「府中」駅からも徒歩20分の距離です。

 

目黒にあった「目黒競馬場」が手狭になったことで、1933年、府中に移転しました。日本ダービーや、秋の天皇賞、ジャパンカップなど、全26のGI級レースのうち、8つのレースが開催。注目のレースでは、10万人もの競馬ファンが集結します。

 

 

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そんな由緒正しくも、ギャンブルの薫りがする「府中」の駅前は、1990年代初頭に完了した京王線高架化に伴う駅前の再開発事業によって、キレイに生まれ変わりました。

 

1996年、まず最初の再開発ビル「フォレストサイドビル」が誕生し、キーテナントとして「伊勢丹 府中店」がオープン。2005年には、地上28階建ての商業住居複合施設が完成し、キーテナントとして「TOHOシネマズ」や「トイザらス」が出店しました。そして2017年、商・公・医・住が揃った複合施設「ル・シーニュ」が誕生し、再開発事業は一区切りを打つことになります。

 

再開発のハードの部分は完了し、これからはソフトの充実が期待されていましたが、そこに激震が走ります。2019年9月、「伊勢丹 府中店」が閉店。その跡地は、何も決まっておらず、整然とした街並みに、ぽっかりと穴があいたような状態が続いています。さらに2022年、「府中」駅から3kmほど離れた西武多摩川線「多磨」駅近くに開業予定の大型SC「アリオ」が開業予定で、これまで府中の中心市街地に集った買い物客の多くが奪われるのではないかと危惧されています。

 

市を代表する、魅力ある街であり続けられるか。「府中」はまさに正念場にいます。

 

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