どこの街に住むかの選択は、仕事やプライベートに大きな影響を与える。さらに家賃が家計支出の大きなウェイトを占めることを考えると、居住地は資産形成までも左右するといえる。総合的に考えて住みやすい街はどこなのだろうか? 20代後半から30代前半の単身会社員の住み心地を考えていこう。今回取り上げるのは、西武鉄道新宿線と池袋線の接続駅「所沢」駅。

新宿線と池袋線…西武鉄道の主力路線が交わる街

「所沢」駅は埼玉県所沢市に位置し、西武鉄道新宿線と池袋線の接続駅です。1日の乗降客数は10.5万人弱。西武グループの本拠地として知られています。

 

所沢という地名の由来は諸説ありますが、古くは「野老沢(ところざわ)」と書かれていました。「野老(ところ)」はヤマノイモ科の植物で、沢に多く生息していたから、「ところざわ」呼ばれるようになったとか。その地名が初めて歴史上で確認できるのが、道興准后(どうこうじゅこう)という僧が残した『廻国雑記』という紀行文です。1486年に所沢に立ち寄った際、「野遊びの さかなに山の いもそへて ほりもとめたる 野老(ところ)沢」とうたっています。

 

 

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駅周辺をみていきましょう。改札を出て東口方面に向かうと、駅ビル「グランエミオ所沢」が見えてきます。2018年に第1期、2020年9月には第2期が開業予定で、全120店ほどで構成される商業施設に。お馴染みの人気ブランドを中心に、ファッション品のほか食品や日用品など多彩なテナントが揃っているうえ、市役所のサービスコーナーも入るなど、利便性の高いスポットです。

 

東口は、西武鉄道の本社やイベントスペース「くすのきホール」が建ち、ちょっとしたビジネス街の様相。バスターミナルからは近隣を網羅する路線バスのほか、成田空港や羽田空港、関西方面に直行するリムジンバスも発着。出張や旅行に便利です。

 

一方西口は、「30万都市・所沢」にふさわしい繁華街が広がっています。2019年、そごう・西武が西武所沢店を改装し、脱百貨店として新たに開業させた「西武所沢S.C.」。その裏手の西武鉄道車両工場跡地には新しいショッピングモールとタワーマンションが2021年に誕生する予定です。

 

また、日本の航空発祥の地であることから命名された商店街、通称「プロペ通り」は、所沢で最も人通りの多いエリアのひとつ。近年はチェーン店が増えましたが、通りから折れた路地には、個性的な店が残っています。

 

プロペラ通りを抜けた先にある交差点「ファルマン通り」の一帯は、駅ができる前は所沢の中心だったエリアです。現在は、古い住宅地とマンションが混在していますが、その一画に時が止まったような昭和レトロな路地「盃横丁」があります。居酒屋やスナック、パブなど個性豊かな飲食店が25店集まり、「チェーン店で飲むのはつまらない!」という人を中心ににぎわっています。

 

西武新宿線2000系
西武新宿線2000系
 

 

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