NY原油は大幅続伸~産油国通貨カナダドルも上昇基調復帰か!?

原油価格の変動に連れて、為替相場では資源国通貨も動きがみられます。中でも産油国通貨のカナダドルはNY原油先物の史上初のマイナスというニュースで下落しましたが、パニック的な売りは一巡し、落ち着きを見せてきました。この後はどのような値動きをたどりそうか、考察します。

ニューヨーク州の抗体検査では「13.9%に抗体確認」

4月24日(金)の東京株式市場では、日経平均株価は反落しています。前日の米国株式市場でNYダウは上昇して取引を終えましたが、一時は上げ幅を400ドルまで広げたものの、取引終了時には小幅高にとどまったことが嫌気されているようです。

 

材料とされたのは、ニューヨーク州のクオモ知事が「13.9%に抗体確認」と発表したことです。全米で新型コロナウイルスの感染拡大が最も深刻なニューヨーク州では、州全体でどれだけの人が感染し、抗体を持っているかを調べるため、20日(月)から抗体検査を行っています。クオモ知事は会見で、初期段階の検査の結果、無作為に選んだ3,000人の13.9%に抗体が確認されたと発表しました。7人に1人というもので、インパクトのある数字と市場関係者から受け止められました。

 

4月23日のNY原油先物6月限(WTI)は20%近く上昇している。
4月23日のNY原油先物6月限(WTI)は20%近く上昇している。

 

この材料以外では、23日(木)の米国市場ではポジティブなニュースが相次ぎました。1つ目は原油価格で、NY原油先物6月限(WTI)は1バレル=16.50ドル(前日比+2.72ドル)と続伸し、20%近く上昇しています。中東情勢の先行きに警戒感が広がっていることが影響しているようです。

 

また、このところ注目度が高まっている米国の新規失業保険申請件数(4月12日~18日分)は442.7万件となり、市場予想の450.0万件を下回りました。前回分についても524.5万件から523.7万件へ下方修正されました。

カナダドルは原油価格の値動きに連動する傾向がある

原油価格の戻り基調を背景に、為替相場ではオーストラリアドル、ニュージーランドドルなどの資源国通貨が値を戻してきています。その中でも顕著なのはカナダドルで、対円では21日(火)に75.30円まで下落しましたが、23日(木)は76.90円レベルまで上昇しました。

 

カナダドルは産油国通貨として知られ、原油価格の値動きに連動する傾向があります。アルバータ州などに油田を多く有しており、カナダの経済を支えています。

 

NY原油先物5月限(WTI)が史上初のマイナスになった21日(月)以降、カナダドルは対円でも値を崩し始めましたが、前の週の水準に復帰しています。

 

カナダドル円・60分足チャート 【提供:楽天証券マーケットスピードⅡ】
カナダドル円・60分足チャート
【提供:楽天証券マーケットスピードⅡ】

 

原油価格の見通しについては、下値不安は依然として拭えません。新型コロナウイルスの影響で需要が急減しているにも関わらず、産油国の減産幅は限定的で、需要と供給のバランスは崩れています。そのような状況下で値崩れを防ごうと各国や石油会社が買い進め、備蓄を増やしていますが、オイルタンクは満タンに近いです。この先、需要が増えるか、あるいは供給を減らさない限り、原油価格の低迷は続くとみられています。

 

このようなことを背景に、産油国通貨のカナダドルも弱含んでいます。対円では、2月中旬まではおおむね82円よりも上の水準で推移していましたが、急落の後も値を戻せずに、74円~78円の低位でレンジ相場となっています。

 

カナダドル円・日足チャート 【提供:楽天証券マーケットスピードⅡ】
カナダドル円・日足チャート
【提供:楽天証券マーケットスピードⅡ】

 

ただ、レンジの上限(上値)は78円レベルで変わらないものの、下限(下値)は74円割れとなった3月に比べて、4月に入ってから75円ちょうど、そして75円台半ばと切り上げてきており、下値不安は和らいでいると考えてよさそうです。

 

ひと頃のパニック的な売りの様相から比べると落ち着きを取り戻しており、原油価格が仮に低位でも安定してくれば、レンジの上限である78円を上抜けてくるかもしれません。

 

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