新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、多くの人が出社せず、テレワークやリモートワークで在宅勤務を行っています。これに伴い、消費者の購買行動も変わっていますが、データでみるとどうなのでしょうか。
このほど、スーパーマーケットとコンビニエンスストアの業界団体が3月の販売状況を発表していますので、チェックしましょう。
スーパーでは食料品は売れているが、衣料品は不調
まず、日本スーパーマーケット協会が発表した3月の販売統計(集計企業数55社)では、既存店売上高は5,967億6,134万円(前年同月比5.6%増)となりました。全店売上高は6,183億6,315万円(前年同月比7.2%増)です。
食料品は既存店ベースが前年同月比7.9%増、全店ベースが同9.7%増、生活関連は既存店が同5.8%増、全店が同7.0%増と好調でしたが、衣料品は既存店、全店ともに同25.5%減とさえませんでした。
3月の天候環境について、気温は全国的にかなり高かったです。前年同月と比較して、月曜日と火曜日が1日多く、金曜日と土曜日が1日少ない曜日まわりでした。
前月末より新型コロナウイルスの国内感染拡大の影響が続いており、3月初旬には全国の小・中・高等学校が一斉休校となったことから「巣ごもり」需要が増え、食料品については一部カテゴリーの商品供給に支障をきたしたほか、マスク・除菌剤など衛生用品については品切れが続いているとのことです。
3月の取り組みとして、「ひなまつり」が挙げられます。定番メニューのちらし寿司と手巻き寿司について、手作り素材や関連商品、即食としての惣菜を含め、全体的に好調でした。そのほか、オムライスやエビフライ、パエリアなどの洋食メニューに取り組んだ企業が多く、結果は良好とのことです。
一方で、「ホワイトデー」の取り組みについては、催事場での展開以外の取り組みは少なく、学校の一斉休校による需要減と高額品の不振が重なり、大きく売り上げを落としたようです。
「春のお彼岸」に関しては、都市部では外出自粛、地方では帰省客の減少が見込まれたため、出店地域にあった取り組みが行われました。結果については、ごちそうメニューやおはぎはおおむね好調、供え物用の花は好・不調が分かれる結果となったようです。
コンビニでは来店客数も減少している
続いて、日本フランチャイズチェーン協会が発表した3月度のコンビニエンスストア統計調査月報(調査対象7社)によると、既存店売上高は前年同月比5.8%減、全店ベースでは同5.5%減となりました。既存店は3カ月ぶり、全店では6カ月ぶりのマイナスです。
商品別では、日配食品が同6.6%減、加工食品が同4.7%減、非食品が同3.3%減、サービスが同19.8%減と、いずれも下振れました。
減少で目立つのは来店客数です。既存店では同8.0%減、全店では同8.2%減で、ともに2カ月ぶりのマイナスです。
平均客単価は既存店ベースで同2.5%増、全店ベースでは同2.7%増と上振れました。これについて、同協会では「惣菜等の中食が引き続き好調だったことに加え、冷凍食品、レトルト食品等の日持ちする商品のまとめ買い需要が増加したこと等により、全店・既存店ともに客単価は前年を上回った」としています。
以上から、外出の機会が減ったことも影響して衣料品は不調であるものの、食料品は伸びているようです。とりわけ、冷凍食品、レトルト食品といった日持ちの良いものが好まれていると考えられます。
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