活用していない土地を借りたいと相談されたら、実際に貸し借りを行う前に、地代の支払いや、その権利関係について理解しておく必要があります。税理士法人田尻会計の税理士・古沢暢子氏は、親族間の土地の貸借について、経緯と内容を明確にしておくことが大切だと述べています。本記事では、相続したまま活用していない土地を、我が子に貸したいと考えているAさんの例をご紹介します。
なお、権利金の授受に代えて「相当の地代」を支払うことによっても借地権の認定課税はされませんが、「相当の地代」は、土地の更地評価額のおおむね年6%の地代であり、通常支払う地代に比べて高額になります。
以上のように税法上で借地権を考える場合には、個人間の契約か、法人を含む契約か、権利金の支払いはあるか、地代は無償か有償か、無償返還の届出をするのか……など検討すべきことが沢山あります。
さらに、地主であるAさんに相続が発生した時には、生前の借地権の取り扱いが、その土地の相続税評価額にも影響してきます。
身内同士または同族会社とその役員との間で土地の貸し借りをする場合には特に、借地権の扱いに留意し、契約書を作成するなどして、その経緯と内容を明確にしておくことが大切でしょう。
古沢 暢子
税理士法人田尻会計 税理士
税理士法人田尻会計
税理士
平成28年3月税理士登録 日本FP協会AFP 登録政治資金監査人
一般企業の経理部を経て、平成15年税理士法人田尻会計入社。
法人及び個人のお客様の監査・決算業務とともに、現在は相続・事業承継業務を多く担当する。
毎月お客様を訪問し丁寧に話を聞くことで、適切なアドバイスができるよう心掛けている。
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