3月の訪日外国人旅行者数は前年同月比93%減
「やはり…」と言ってしまいそうな経済統計が4月15日(水)の午後、観光庁から公表されました。
3月の訪日外国人旅行者数(推計値)は、前年同月比93%減の19万3,700人となりました。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、海外からの入国制限を強化したのが要因です。減少は6カ月連続で、減少幅は東日本大震災の翌月、2011年4月の62.5%減を上回りました。もちろん、過去最大の減少幅です。
新宿や銀座といった繁華街では、年末年始あたりからアジア系の外国人が減少し始めて、2月に入ると欧米からの訪日客も見かけなくなったという印象があります。
国際線の航空便が激減し、訪日客が東京・大阪や観光地からいなくなった現状、「コロナ騒動が収まって、訪日客は本当に戻ってくるのか」という懸念が観光産業に携わる人の間に広がっています。
中国人向け調査で、日本はコロナ後「行きたい国」1位
上記のような懸念に対して、「あまり悲観することはない」という調査結果も出てきました。
日本におけるインバウンドメディアの品質・地位の向上を目指して活動する、日本インバウンド・メディア・コンソーシアム(JIMC)の「中国人最新訪日意識調査」によれば、日本は「行きたい国」の1位になりました。コロナ後の中国人の訪日意欲は旺盛という結果です。
新型コロナウイルスによるインバウンド市場への影響を把握するため、中国のインターネットユーザー145名(男性58名、女性87名)を対象に、訪日旅行に関する緊急意識調査を行ったものです。
調査によると、「新型コロナウイルス肺炎の終息後に行きたい国」として「日本」と答えた人の割合は44%となり、 2位の「タイ」(12%)を大きく引き離してトップとなりました。
新型肺炎の終息後に日本を旅行することについて聞いたところ、中国政府や日本政府が安全宣言を出したら行ってもよいとの回答が58%にのぼりました。つまり、政府による安全宣言が訪日旅行者数復活のカギとなりそうです。
現在の日本のイメージについて聞くと、新型肺炎で「危険を感じる」、「危険な状態」との回答の合計が過半数となりました。中国でも、日本国内で感染者数が増えているとのニュースが連日で伝えられているようです。やはり、新型コロナウイルスの「脅威」が取り除かれることが、必須と言えるでしょう。
日本国内で行きたいところは北海道が1位
最後に、日本国内で行きたいところについて聞くと、 北海道が1位となりました。その回答数は2位の東京の約2倍にもなります。北海道はコロナ騒動の前も人気が高かったのですが、北海道が早期にウイルス拡散の抑制策を打ち出し、成果を上げていることが中国でニュースになっていたことも影響したようです。
2位以下は、東京都、大阪府、京都府が続きます。
なお、「日本で行きたい場所は、新型肺炎流行の前後で変わりましたか」との質問に対しては、変わらないが84%、変わったが16%となりました。
以上から、中国人にとって「日本は行きたい国」であり、「中国政府、日本政府の安全宣言が出れば、行ってみたい」という結論になりそうです。
日本インバウンド・メディア・コンソーシアム(JIMC)では引き続き、東アジア、東南アジア、英語圏など他地区における影響の調査を順次行うとしていますが、中国からの訪日客に関しては、コロナ後を心配しなくてもよさそうです。
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