物件の管理が難しい場合はアフターフォロー型を選ぶ
■「売り切り御免」型と「アフターフォロー」型
物件の販売だけをする会社と、管理運営まで手がける会社に分類されます。
筆者の会社は管理まで行っていますが、これはエリアの問題とも関係しています。広範囲で事業展開している会社は、販売するのみの「売り切り御免」型が多く、エリアを絞って展開している会社は、管理まで行っている「アフターフォロー」型が多いのが特徴です。
理由は明白で、遠方の物件は管理事業に向いていません。たとえば、東京の不動産会社が札幌のアパートを販売したとして、管理までできるかといえば、難しいでしょう。
不動産に詳しく自分で対応できる方は、売り切り御免型の会社から遠方の物件を取得してもよいでしょうが、自分で管理する(管理会社等を探す)ことに抵抗のある方は、アフターフォロー型を選択するのが望ましいでしょう。
■「機関銃乱射」型と「コンサル」型
物件の紹介方法による分類もできます。
レインズ型の業者に多いのですが、物件を全てFAXで紹介するパターンを「機関銃乱射」型と呼んでいます。「5000万円のアパートがほしい」という話をすれば、その日のうちにレインズから情報をピックアップし、機関銃のようにFAXで送付してきます。
物件数はかなり集まりますが、買い手が本当に望むものなのか、購入できるか否かといった諸条件はあまり考慮せずに、「数撃ちゃ当たる作戦」的な営業手法といえます。物件情報を多く得て、相場感を養うのに使うのがよいでしょう。
一方、購入希望者の事情を理解したうえで最適な物件をピンポイントで紹介するのが「コンサル」型です。この場合もやはり数に限りがあり、多くを紹介できないのが難点です。
仲介・買取再販それぞれにメリット・デメリットがある
■「仲介」型と「買取再販」型
収益用不動産に限らず、中古不動産を扱う会社には、仲介のみを行う「仲介」型、自社で物件を購入してお客様に再販する「買取再販」型、そしてその両方を行う会社があります。
仲介というのは文字どおり売主と買主をつなぎ、その紹介料(仲介手数料)をもらうビジネスです。売主から物件を預かったり、仲間の業者から紹介されたりと、物件の入手経路はさまざまですが、物件を自社で買わずにお客様に紹介するという点では共通です。
一方の買取再販型は、一旦、自社で物件を買い取り、複雑な権利関係を調整したり、リフォーム等を加えることで物件を再生し、再販します。
メリットとデメリットはそれぞれありますが、まず仲介型のメリットは比較的安い物件が手に入る可能性があるということです。デメリットは、購入段階では物件の中身がわかりませんから入居者属性等に関してのリスクがあるということです。
買取再販型の物件は、一旦その会社が保有するため、物件の抱える事情(たとえば、入居者属性や設備の不具合等)などが事前に詳しくわかり、リスクは限定的となります。購入時の仲介手数料が不要であるため、自己資金を抑えられるということや、瑕疵担保責任が付くことがメリットです。
一方で不動産会社が販売用に扱う物件ですから特殊事情を除き、飛び切りの安値ということはなくなります。中古車でいえば、現状渡しが仲介型、整備渡しが買取再販型というイメージです。