「オーナーの要求」を理解している管理会社は少ない
アパート事業は単なる投資ではなく、経営の側面を持つため、運営の取り組み方次第で収益が変わってきます。そして、繰り返しになりますが、運営の鍵を握るのは、物件の管理を任せる管理会社なのです。利益が最大化できるかどうかは管理会社の良し悪しにかかっているといっても過言ではありません。
では、管理会社はどのように選定すればよいのでしょうか。
まず、基本的には、オーナーの立場に立ち、オーナーの利益を最大化するお手伝いをするという認識を持っているかどうかです。当たり前のようですが、この認識を持っている管理会社は少ないのが実情です。理由は、時代的な背景から管理会社のほとんどがオーナーの利益を最大化しにくい構造となっているためです(詳しくは筆者の著書『年収1000万円から始める「アパート事業」による資産形成入門 [改訂版] 』第8章-5で説明しています)。
オーナーの要求とは、少しでも高い家賃で入居が決まり、空室は一日でも早く埋まり、費用は少しでも抑えたいといったものです。つまり、収益を最大化し、支出を最小化することでアパート事業における利益を最大化することにあります。しかし、平気で何百万円もするあまり意味のない改修工事を提案してきたり、空室が半年続いても何も連絡が来なかったり、といった管理会社は残念ながら多く存在します。
自社の手数料にこだわり過ぎる管理会社はNG
そこで見分けるポイントとしては、管理戸数と入居率を確認すべきです。なんといっても空室の多い管理会社がオーナーの利益を最大化できるわけはありません。
オーナーと一緒になって、できるだけお金をかけずに空室を埋める努力をするのが管理会社の役割です。そのためには、自社だけでの客付けにこだわらず、入居募集の窓口を広くする必要があります。管理会社が自社で仲介(客付け)する必要はありません。
オーナーとしては、どの会社が客付けしてくれても、きちんとした入居審査をすれば入居者の質に問題があるわけではなく、空室が一日も早く埋まることが最優先だからです。
にもかかわらず、自社に仲介手数料が支払われることに強くこだわる管理会社が少なくないのが現実です。どのような募集形態とするかを事前によく確認する必要があります。
オーナーは、なぜ自分の物件の空室は埋まらないのか、どうすれば埋まるのか、見に来てくれた内見者は何が気に入らなかったのか等々、いろいろと不安になるものです。管理会社には絶えずオーナーと連絡を取り、必要な報告・連絡・相談をこまめにすることが求められます。