前回は、アパート事業を成功に導く「オーナーとしての仕事」について説明しました。今回は「管理会社」の選び方を見ていきます。

空室率の低下を左右する管理会社の「力量」

アパート事業を行う仕組みのなかで、最も重要なのが管理会社です。物件の運営がスムーズにいくかどうかは、管理会社の力量に大きく左右されます。

 

管理会社の業務としては、家賃集金、家賃不払いの督促、退去時の原状回復の立会い、緊急対応、そして入居者の募集といったものが挙げられます。なかでも、入居者募集業務が鍵になります。

 

空室率が問題となっている現在においては、いかに空室をなくすかがアパート事業の成否を決めます。管理会社を選定するポイントとして、入居者の募集業務(リーシング)に力を入れている会社を選定することが重要になってきます。

 

そして、高入居率を維持できているオーナーはみなさん、管理会社との関係に大変気を使っています。成功しているあるアパート事業家は、「オーナーと管理会社の関係は、メーカーと代理店の関係と同じだ」といいます。いくらメーカーが商品を作っても、代理店に売ってもらえなければ意味がありません。アパートの入居に関しても同様で、管理会社が入居者を入れやすいように物件の状態を保ち、管理会社に働きかけることがオーナーの仕事となります。

管理会社との関係構築で、入居者の優先的な紹介を期待

なお、オーナーと管理会社の間に上下関係はなく、目的を共有するパートナーだという意識を持つことが重要です。以前の日本では、住宅不足の事情からオーナー優位の関係性でしたが、今はそういう時代ではありません。日々の管理会社とのやり取りでいえば、できれば定期的に顔を出して挨拶をし、お菓子などの手土産を持っていくのもよいでしょう。

 

オーナーは管理会社にお金を支払う「お客様」の立場です。しかし、管理会社からすれば、何百人、多いところでは何千人もいるオーナーの一人でしかありません。また、管理会社から入居者を紹介してもらえない限りは、家賃が入ることはなく、アパート事業そのものがうまくいかなくなってしまいます。

 

他の物件に先駆けて最優先に入居者を紹介してもらうためにも、日頃からの管理会社との良好な関係構築が必須になります。

本連載は、2012年6月27日刊行の書籍『年収1000万円から始める「アパート事業」による資産形成入門 [改訂版] 』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。
本書は情報の提供及び学習を主な目的としたものであり、著者独自の調査に基づいて執筆されています。実際の投資の成功を保証するものではなく、本書を用いた運用は必ずご自身の責任と判断によって行ってください。本書の内容に関して運用した結果については、著者及び幻冬舎グループはいかなる責任も負いかねます。

年収1000万円から始める  「アパート事業」による 資産形成入門

年収1000万円から始める 「アパート事業」による 資産形成入門

大谷 義武

幻冬舎メディアコンサルティング

大企業でも倒産する現在、自分の身は自分で守るべく、副収入としての投資を考える人が増えています。 そんななか、アパート事業による資産形成の火付け役となった本書が、改訂版としてパワーアップいたしました。不動産会社の…

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