空室率の低下を左右する管理会社の「力量」
アパート事業を行う仕組みのなかで、最も重要なのが管理会社です。物件の運営がスムーズにいくかどうかは、管理会社の力量に大きく左右されます。
管理会社の業務としては、家賃集金、家賃不払いの督促、退去時の原状回復の立会い、緊急対応、そして入居者の募集といったものが挙げられます。なかでも、入居者募集業務が鍵になります。
空室率が問題となっている現在においては、いかに空室をなくすかがアパート事業の成否を決めます。管理会社を選定するポイントとして、入居者の募集業務(リーシング)に力を入れている会社を選定することが重要になってきます。
そして、高入居率を維持できているオーナーはみなさん、管理会社との関係に大変気を使っています。成功しているあるアパート事業家は、「オーナーと管理会社の関係は、メーカーと代理店の関係と同じだ」といいます。いくらメーカーが商品を作っても、代理店に売ってもらえなければ意味がありません。アパートの入居に関しても同様で、管理会社が入居者を入れやすいように物件の状態を保ち、管理会社に働きかけることがオーナーの仕事となります。
管理会社との関係構築で、入居者の優先的な紹介を期待
なお、オーナーと管理会社の間に上下関係はなく、目的を共有するパートナーだという意識を持つことが重要です。以前の日本では、住宅不足の事情からオーナー優位の関係性でしたが、今はそういう時代ではありません。日々の管理会社とのやり取りでいえば、できれば定期的に顔を出して挨拶をし、お菓子などの手土産を持っていくのもよいでしょう。
オーナーは管理会社にお金を支払う「お客様」の立場です。しかし、管理会社からすれば、何百人、多いところでは何千人もいるオーナーの一人でしかありません。また、管理会社から入居者を紹介してもらえない限りは、家賃が入ることはなく、アパート事業そのものがうまくいかなくなってしまいます。
他の物件に先駆けて最優先に入居者を紹介してもらうためにも、日頃からの管理会社との良好な関係構築が必須になります。