日本株の急騰は本物!?「オーバーシュート」の修正に過ぎないか

日経平均株価は3日連続で大幅高となっています。潮目が変わったというメディアも出てきそうですが、このままリバウンドを続けられるのでしょうか。「オーバーシュート」に着目し、今後の相場展開について考察します。

「オーバーシュート」とは、相場の行き過ぎのこと

河野太郎防衛相が3月22日に公式Twitterに投稿した「なんでカタカナ?」のツイートが、メディアや各SNSで話題になっています。

 

新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、政府や専門家会議が「クラスター」、「ロックダウン」、「オーバーシュート」といった用語を使っていることについて、防衛相が苦言を呈したものです。感染すると重症化しやすい高齢者に対して特に注意を喚起しているのに、その高齢者から「カタカナではわからない」とか、「日本語にしてほしい」との要望や苦情が、防衛相のもとに相次いでいるそうです。

 

防衛相はTwitterで、クラスターは「集団感染」、ロックダウンは「都市封鎖」、オーバーシュートは「感染爆発」で言い換えられると指摘しています。これに対して、報道番組や情報番組で、学者や識者らが「カタカナの方が外国人にもわかりやすい」とか、「海外の言葉を日本語に無理に訳すと微妙なニュアンスが伝わらない」と反論していましたが、的外れのように聞こえます。

 

「オーバーシュート」とは、本来は「行き過ぎ」を示す言葉。
「オーバーシュート」とは、本来は「行き過ぎ」を示す言葉。

 

なぜ、この話を冒頭に紹介したのかと言えば、「オーバーシュート」とは、本来は「行き過ぎ」を示す言葉であって、政府や専門家会議の訳し方「感染者の爆発的増加」に違和感を覚えていたからです。

 

「オーバーシュート」は金融用語としてよく出てくる言葉であり、「相場の行き過ぎ」のことです。まさに「コロナショック」で急変動している今の相場において、証券会社のレポートなどで見受けられます。

 

ネガティブな材料が出たケースでいえば、戦争や感染症の拡大、金融不安などが発生すると、投資家のマインドは一気に収縮へと傾きます。「売りが売りを呼ぶ」状況となり、株式市場ではスパイラル的に暴落します。パニック的な相場では、「売られなくてよいものまで売られる」、「必要以上に売られる」といったことが起こります。

 

株式投資やFX(外国為替証拠金取引)を行っていて、テクニカル分析に興味のある人ならば、「買われ過ぎ(上がり過ぎ)」や「売られ過ぎ(下がり過ぎ)」を示す指標があると、聞いたことがあるかもしれません。詳説は省きますが、米国株でも日本株でも、101円台まで急落した米ドル円でも、最近の相場はテクニカル的に説明できないほどの「売られ過ぎ(下がり過ぎ)」を示していました。

 

この「説明できないほどの…」状況が、金融用語の「オーバーシュート」です。

日経平均株価のリバウンドは続くのか

東京株式市場では、日経平均株価は3日連続で大幅高となっています。

 

強気派の金融関係者やメディアは「潮目が変わった!」と喜ぶのでしょうが、そうとは言い切れません。「オーバーシュート」は相場の行き過ぎであり、その動きが一巡すると「適正な水準」に戻ろうとします。この大幅高は、その動きです。

 

日経平均株価で言えば、高値からの急落局面において、多くの市場関係者が「下値メドは18,000円~19,000円」と予想していました。適当に水準感を言っているのではなく、テクニカル面やさまざまな要因(ファンダメンタルズ)からの予想でしたが、実際には16,000円台までの暴落となりました。

 

日経平均株価・日足チャート 【提供:楽天証券マーケットスピードⅡ】
日経平均株価・日足チャート
【提供:楽天証券マーケットスピードⅡ】

 

3連騰で19,000円まで回復してきましたが、このままグングン上昇するかとなれば、それは疑わしいです。為替の水準や企業業績の見通しなどを踏まえると、やはり、18,000円~19,000円が今の「適正水準」になりそうです。

 

節目の20,000円をトライするような値動きも一時的にはあるかもしれませんが、それは悲観から楽観への転換において、今度は楽観ムードの「オーバーシュート」になってしまいます。

 

4月から新年度となり、企業の2020年度業績見通しが出そろってくる5月中旬以降、株価のリバウンド、さらにはジャンプアップを目指すならば、ポジティブな材料や期待を過度に織り込まずに、18,000円~19,000円あたりでもう少し、力を蓄えておく方がよいのかもしれません。

GGOとは、GENTOSHA GOLD ONLINE(幻冬舎ゴールドオンライン)の略称。『あなたの財産を「守る」「増やす」「残す」ための総合情報サイト』を掲げ、企業オーナー・富裕層を主要読者ターゲットとして運営している(写真は編集長の立本正樹)。

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