日経平均株価が下げ止まりません。週明けの3月9日の東京市場では、終値でも節目の2万円を割り込みました。ただ、ずっと株価が下落していくということはなく、どこかで下げ止まるはずです。安いところを拾っていく準備に取り掛かりたいのですが、どんなところに着目すればよいでしょうか。

日経平均株価は節目の20,000円を割り込んだ

新型コロナウイルスによる経済への悪影響が懸念され、週明け3月9日(月)の日経平均株価は前営業日比1,050円99銭安の1万9,698円76銭で取引を終えました。約1年2カ月ぶりの安値で、終値でも節目の20,000円割れです。取引時間中には一時、前営業日比1,277円49銭の下落となる場面もありました。

 

日経平均株価が下げ幅を拡大したことで為替が円高に振れ、円高が進むことで株価がさらに下落するという「負のスパイラル」に陥った格好です。米国内でも感染者が増えていると伝わり、米国景気悪化への不安を背景に、一時1ドル=101円台に下落したことも投資家心理を冷やしているようです。

 

トヨタ自動車やソニーといった輸出関連銘柄、景気敏感株が下げるのは致し方ありません。ただ、このような局面では、好業績の銘柄や為替影響を受けにくい会社、特に売られる理由のない株まで、連れ安していることも多いです。

 

ここまでは「売りたい人」や「売らなければならない人」が株を売り、個別銘柄の株価や日経平均などの指数が下落していますが、過去の経験則から、ある時期になると「売りたい人」や「売らなければならない人」の売りオーダーが出つくし、下値が堅くなってくると考えられます。

 

「売りたい人」や「売らなければならない人」とは、(1)信用取引で買っていた人:期日までに売って、買いのポジションを解消する必要があり、損失状態で否応なく(証券会社によって強制的に)売らされる人、(2)年金や投資信託などで「〇%下げたら売り」といった社内ルールがあり、それに沿って機械的に株を売る人、以上が代表例です。

 

上記に加えて、個人投資家の投げ売り、見切り売りが出て、ようやく株価の下落トレンドが一服するというのが「不安定な相場」のありがちな値動きです。

 

すると、短期のトレーダーや投機筋などが中心となって、今度は一転してリバウンドの相場を作りにかかるのですが、どの銘柄でも、何でも上昇するのではなく、「それらしい理由」がある銘柄から反転上昇するのが、よくある話です。

 

それは、どのような銘柄でしょうか?

日本では外出せず、在宅の人が増えている

新型コロナウイルスの影響を受け、日本国内を見渡し、現状をひと言でいえば以下の通りでしょう。

 

【出かけずに、在宅の人が増えている。】

 

この人々が何も飲み食いをせず、クマのように冬眠しているというわけではありません。彼らだって食べていかなければならないし、何らかの経済活動をしているはずです。

 

「出かけずに、在宅の人が増えている。」というワードを大本線として、このほかに何らかの要素をひねり出し、方程式を解いていくと、株価が下げ止まったと判断したところで打診的に買ってよい銘柄が見えてくるかもしれません。

 

「自宅にいる人」が増えると、時間つぶしで電子書籍の読者が増える傾向にある
「自宅にいる人」が増えると、時間つぶしで電子書籍の読者が増える傾向にある

 

下記に、いくつか例を挙げてみました。

 

・「出かけずに在宅の人が増えている。」×「買いに行くのが面倒でネット通販に頼る人が急増。」
→アスクル、大塚商会、イオンなどのネットスーパーを手がける会社、宅配業者

 

・「出かけずに在宅の人が増えている。」×「飲食も配達に頼る人が急増。」
→ライドオンエクスプレスホールディングス、出前館、ウーバーイーツと連携している会社

 

・「出かけずに在宅の人が増えている。」×「ヒマつぶしにゲームをやる。」
→ディー・エヌ・エー、エイチーム、グリーなどゲーム株(特に野球、サッカーファンはスポーツ観戦に飢えており、スポーツのゲームを手掛ける会社は恩恵がありそう)

 

・「出かけずに在宅の人が増えている。」×「ヒマつぶしにスマホで読書する人が増える。」
→イーブックイニシアティブジャパン、アルファポリスなど電子書籍関連銘柄

 

とりわけ、ゲーム株や電子書籍関連銘柄は値動きが軽いため、安いところを拾っておけば、楽しみがありそうです。これらは例年、ゴールデン・ウィークに「ヒマつぶし」をテーマに物色されやすい傾向もあり、この点でも見逃せません。

 

 

 

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