センター試験真っ只中。子どもの雄姿を見送る親御さん、「センター試験、懐かしいなあ」と感じる社会人、「来年は自分たちの番!」と奮起する学生…皆一様に、受験生を応援しています。何かと勉強のことが気になってしまうこの週末。本記事では、学習塾「灘学習院」を開校した江藤宏氏が、実例をもとに、東大・京大に受かった子どもたちの、驚くべきエピソードを紹介します。

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    文系学部を受験するなら、2次試験で地理歴史から一科目選択するよう求められる大学もありますので、大学に合格するためには、暗記という勉強法が必要であることは否定できません。けれども暗記をするための方法でいえば、「棒暗記」より「考えて理解する暗記」の方が効率的に覚えられます。

     

    何よりも大切なのは「考える力」
    何よりも大切なのは「考える力」

     

    例えば「conscience」という英単語があります。その意味は、受験用英単語集などでは「良心」と書かれています。そこで「conscience=良心」という言葉のセットを頭の中に作ること、これが棒暗記です。「コンシエンス・りょうしん」と何回か繰り返し言葉に出してみたり、スペルを書いたりすれば、そのうち記憶として定着するでしょう。こうして難しい単語を棒暗記していく。このやり方は、基本的な単語力をつけるためには、ある程度必要な作業なのかもしれません。

     

    けれども、考える力のある高校生なら「conscience」を見た時、あることに気がつくはずです。それは「conscience」の中にある「science」という文字です。「science」が「科学」を意味することは、ほとんどの高校生ならわかっているはずです。すると、「science」の前にある「con」とは、どういう意味なのか、あるいは「科学」と「良心」がどうつながるのか、と疑問が湧くのではないでしょうか。そうして語源にまでさかのぼって単語を理解しようとするのです。

     

    そこで「conscience」についての知識を広げ、「con」の意味を知ることができれば、次に「con」が頭についた単語を目にした時、その意味を推測できる可能性が出てきます。

     

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    これはあくまで一例ですが、「conscience=良心」と棒暗記する以外にも、言葉の意味を理解し、覚える方法のあることはわかっていただけるのではないでしょうか。

     

    もちろん、単語を棒暗記する学習法を否定するわけではありません。むしろ大学に入ってから英語の論文などを読む場合には、必要最低限の専門用語を暗記しておかないと、まったく歯が立たないケースも考えられます。そんな時には、むしろ一つひとつの単語の理解を深めるより、棒暗記することが効率的といえます。

     

    また、典型的な暗記科目と思われがちな歴史については、どうでしょうか。歴史的な事件について、「いつ」「誰が」「何をしたのか」と一つひとつの項目を丁寧に覚えていけば、センター試験や一問一答形式のテストであれば、ある程度までは点数が取れるでしょう。細かな知識を要求されがちな私立大学の入試問題には、暗記が必要となるケースもあります。

     

    けれども、国公立大学の場合、2次試験ではたいてい論述問題が出題されます。これに答えるためには、歴史を流れとして理解していなければ対応できません。誰が何のために引き起こしたのか、それによって何がどう変化したのかなど、その意図や時代背景、心情など歴史上の出来事が「なぜ起きたのか」を理解するのです。

     

    優れた経営者は歴史上の人物から学ぶといいます。彼らが学んでいるのは、方法ではなく、そこに至った経緯です。過去の事例をケーススタディとして学び、今、自分が直面している問題に置き換えて考えてみる。経営者は歴史から意思決定について学んでいるのです。

     

    棒暗記で覚えた知識では、同じ問題でしか力を発揮しません。しかし、背景や意味など、付随する情報とともに理解して得た知恵なら応用が利きます。そして言うまでもなく、人生ではさまざまな問題にぶつかります。そんな時も、与えられた知識だけでは決して生き抜くことはできません。

     

     

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    東大・京大に合格する 子どもの育て方

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    江藤 宏

    幻冬舎メディアコンサルティング

    「うちの子は勉強しているのに成績が上がらない」、「あの子は勉強しているように見えないのにいつも成績がいい」と感じたことはありませんか? 実はわかりやすい授業ほど、子どもの可能性を奪っているとしたら──。 40年に…

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