人間の幼年期が長い理由のひとつとして、高い学習能力が関係しています。「何も分からない存在」と誤解されてきた赤ちゃんですが、最近の研究により、大人の想像を遥かに超える学習能力が備わっていることがわかりました。連載では、25年前から幼児教育に取り組んでいる株式会社コペル・代表取締役の大坪信之氏が、子どもに「学ぶことの楽しさ」を教える方法を解説します。本記事では、幼年期の人間が持つ驚異的な学習能力について見ていきます。

幼児期、驚異的な学習能力で世界を学んでいる

赤ちゃんや幼い子どもは、理不尽で自分本位、分別のない未完の大人だと考えている人は、多いと思います。

 

かつて多くの心理学者は、子どもは何もわからない存在だとみなしていました。

 

赤ちゃんについての誤解は、子どもが、十分にしゃべれないことが原因にあったと思われています。実際、4歳以下の幼児の会話は、不可解な内容が多いですし、5~6歳の子どもですら、自分の考えを言葉で表現するのが上手いとは言い難いですよね。

 

では、赤ちゃんとは、ただ未熟なだけの存在なのでしょうか?

 

人間以外の動物は、生まれて間もなく自立して歩き、1年もすれば、立派に群れの一員となります。しかし人間は、他の動物に比べ、幼年期がとりわけ長い動物です。

 

一見すると、無力な期間が長ければ、生存に不利なように思えますが、この未熟な赤ちゃん、幼児である期間が長いのは、なぜなのでしょうか。それは、人間の学習能力の高さとも関係しています。

 

最近の研究から、子どもは予想以上にさまざまな知識を持ち、科学者のような方法を使って、周りの世界について学んでいることが、明らかになってきたのです。

 

長い幼年期は、学習や創造に必要な脳の神経回路を築くのに必要な期間として、進化の過程で設けられたといえます。

 

今回は、その驚くべき能力と最新の幼児教育分野について、解説したいと思います。

 

驚異的な学習能力で世界を学んでいる
驚異的な学習能力で世界を学んでいる

優れた統計パターンの認識能力で、急速かつ正確に吸収

近年の神経科学の技術と研究から、赤ちゃんには、驚くべき能力が備わっていることがわかってきました。

 

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大人になれば、1つの言語を覚えるのに非常に苦労するのに対し、赤ちゃん、幼児の期間は、急速に多くの知識・能力を身につけていきます。なぜ、これだけのスピードでの学習が可能なのでしょうか。

 

カリフォルニア大学バークレー校のアリソン教授は、赤ちゃんや幼児の話の内容ではなく、行動に注目するという手法により、色々なことを解明してきました。

 

これまでは、これほどたくさんのことを、どうやって素早く正確に学んでいるかは謎でしたが、赤ちゃんには、特に統計パターンに基づいて学習する優れた能力があるというのです。

吸収力が高い貴重な時期こそ、多くの情報を与えるべし

赤ちゃんや幼児は、統計の標本と母集団の関係を理解していて、自分の統計分析に基づいて、周囲の世界についての理論を組み立てているというのです。

 

たくさんの学習量が脳のなかに入ってくると、自分のなかで論理を組み立てて、それが質に変わっていくというわけなのです。

 

赤ちゃん・幼児の時期に、多くの情報に触れさせるということが、より高い成長のために重要だということがいえますね。

 

 

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    本連載は、株式会社コペルが運営するウェブサイト「コペル」の記事を転載・再編集したものです。最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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