子どもをバイリンガルに育てあげるために必須なものは、高い経済力や特別なレッスンではありません。日本在住で、親が英語を話せずとも、毎日のちょっとした習慣で、子どもの英語力がネイティブ級に仕上がります。本記事は、幼児英語教育研究家である著者が、自宅に英語環境を築く方法を紹介します。

ホストファミリー登録で、家庭に英語環境をつくる

家庭の中に英語環境をつくるための絶好の機会として、ホームステイがあります。日本に留学したい学生、もしくは夏休みの一時期を日本で過ごしてみたい外国人学生に部屋を提供してあげるのです。

 

日本に興味があり、ホームステイを体験したい学生がいても、残念なことに、受け入れ先の家庭がなかなか見つからないという話を聞くことがあります。地域の学校や国際交流協会でホストファミリーを募集していたら、一度話を聞いてみましょう。インターネットでさまざまな体験談を読むこともできます。

 

「自分が英語を話せないのに、外国人の学生を受け入れても大丈夫だろうか」という不安はあるかと思いますが、ホームステイを受け入れる家庭は、必ずしも英語が堪能な大人がいるというわけではありません。ジェスチャーを交えてやりとりすることで乗り切ることができる人が大勢います。家の中で英語で話をする人がいるということは、子どもが英語をより身近なものに感じるための大きなチャンスです。

 

ホームステイを受け入れるには、まず受け入れ団体にホストファミリーとして登録します。ホームステイを希望する留学生や研修生がいると、期間や年齢・性別・国籍などが知らされ、それらを承諾すると、受け入れが決まります。都合の悪い時期には断ることができますし、長期間が難しければ、数泊といった短い滞在もあります。

 

受け入れ中は朝食・夕食の用意をしなければならないという負担が生じますが、親が忙しくなる分、外国人のゲストの相手は子どもに任せてしまいましょう。ゲストとしても、子どものほうが気軽に話しかけやすく、打ち解けやすいという傾向があります。英語でコミュニケーションが取れる人がいるとなれば、彼らにとっても安心です。

 

子どもがゲストに日本の遊びを教えてあげたり、逆にゲストに外国の遊びを教えてもらったりすることで、有意義な滞在にしてあげることができるはずです。

 

実際には「お客様」としておもてなししなければ、とがんばりすぎる人が多いのですが、それでは負担が大きくなってしまいます。がんばらなくても大丈夫、「泊めてあげる」くらいの気持ちでいいでしょう。海外でホームステイをしたことのある日本人に体験談を聞けば、「なんだ、そんな程度でいいのか」と思えるはずです。食事も家で普段作っているものでかまいません。カレーライス、肉じゃがなど、日本の一般家庭の食事を出したほうが喜ばれます。

 

子どもは、小さいころに外国人と接すると、その人が住んでいる国がニュースで取り上げられたりしたときに、「◯◯さんの住んでいる国だ!」と、関心を示すようになります。そうやって異文化や社会情勢に自然と目が向くようになり、視野が広がっていきます。

 

ご参考までに、Guy Healy, Japanという福岡市の企業は、ホームステイのホストファミリー募集、サマーキャンプの募集を行っています。 ホームページ を見てみると、ホームステイやサマーキャンプがどのようなものか、様子がつかめるかもしれません。

毎日少しでも英語に触れさせ、英語を「日常の一部」に

同じ年ごろの子どもが同じ時期に一斉に日本語を話し始めるわけではないように、英語を話し始める時期も、子どもによって大きく異なります。「子どもがなかなか英語を話すようにならない」と思っても、そこであきらめてはいけません。

 

それまでほかの子よりも静かだった子どもが、何かのきっかけで急におしゃべりになることがあります。長い間片言しか話せなかった子どもが、突然流暢に話をするようになるかもしれません。私の娘の場合、3歳のころ家でアメリカのアニメをずっとつけっぱなしにして毎日のように見ていたとき、それまでの幼児語が変化し、しっかりした文で話をすることができるようになりました。

 

基本的には、短時間でもよいので毎日英語に触れる機会を設けることです。英語を使うのが特別なことではなく、日常のごく一部なのだという環境をつくりましょう。さらに、お子さんの性格にもよりますが2、3歳くらいになってきたら、月に1~2回、外国人と英語でコミュニケーションを取る機会をつくることができれば理想的です。「日本人じゃない」という意識が芽生える前に慣らしておくとよいでしょう。

 

実際に使ってみて「相手の言っていることがわかった」「自分の英語が通じた」という経験が、子どもにとって大きな励みとなります。英語を話すことへの関心が、いっそう高まることでしょう。

 

普段はあせらず、気長に英語のシャワーに浸っていてもらいましょう。いつかきっかけとなることが起こるはずです。

 

 

三幣 真理

幼児英語教育研究家

バイリンガルは5歳までにつくられる

バイリンガルは5歳までにつくられる

三幣 真理

幻冬舎メディアコンサルティング

グローバル化が叫ばれている昨今、世間では英語力が問われる風潮になりつつありますが、日本の英語力は依然として低いまま。 学校での英語教育も戦後間もない頃からのスタイルとほとんど変わらないのが現状です。 そのためか…

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