不動産投資家に対し、収支改善の提案などを行っている株式会社NewCity営業部主任の川越明日菜氏が、「出会った当初は不動産投資への関心はそこまで高くなかった」という年収850万円の既婚男性と面談を重ね、一棟アパート投資を決断させるまでの流れと、その結果を紹介します。

知り合って1年…最終的に1棟アパートを購入してくれた

今回紹介するF様は、出会った当初は、不動産投資に高い関心があるわけではありませんでした。しかし私との面談を重ねていくにつれて、

 

「家は持ち家だから、新しい住居はいらない。ただ、土地は絶対的に財産になるので、老後のこと、子どもたちへの相続のことも考えて、資産価値の高いものであればほしい」

 

という思いが強くなっていくのを感じました。最終的にF様は、一棟建てのアパートを購入しました。

 

[F様のプロフィール]

年齢:45歳(当時)

性別:男性

未婚/既婚:既婚

職業:建設業

年収:850万円

金融資産:4,500万円

 

F様と知り合って1年。最終的に一棟のアパートを購入しましたが、それまでに何度も面談を重ねました。F様は、私との面談を終えるたびに、気になったことを知り合いに確認をしていたそうです。

 

相談相手には金融機関の方もいて、「不動産投資は、実際に成功している人もいるから、やめることはない。ただその(筆者の)会社は信じられるのか?」という会話もあったそうです。

 

F様は不動産投資には前向きながらも、業者選定に時間をかけた、と言ってくれました。面談を重ねていくにつれて、私との信頼関係が築かれていき、1つのプロジェクトを共に遂行する“仲間”という意識が生まれてきたそうです。

 

このように、不動産投資においての第一歩は、信頼できるプロと出会うことだと思います。早計な判断で、業者にすすめられるがまま投資を行うのではなく、その業者が信頼できる会社(人)なのか、一緒に事業(=不動産投資)を進めていける会社(人)なのかを、見極めることが大切です。

「金融機関のお墨付き物件」が決め手となり、決断

徐々に不動産投資への興味・関心を高めていったF様。最初は一棟建ての物件ではなく、区分マンション投資から始めてみては、という提案もしました。

 

しかしF様は、「自分にとって区分マンション投資は、将来に向けた保険積立のようなもの。すでに年間50万円程度の外貨保険を運用しているから、そこにプラスして区分マンション投資を行うことは考えられない」と拒否しました。

 

面談を重ねていくにつれて、自宅を購入する際に、本当は別の場所が候補にあったということがわかりました。その土地は、将来的に資産価値があがるだろうと考えていたところであり、15年経った現在、F様の考えた通り、大きく資産価値があがっているそうです。しかし当時は金利も高く、融資を活用するなどの考えもなかったため、泣く泣く断念をしたとのこと。

 

このことから、F様は「いつかは資産価値の高い土地を所有したい」という思いを胸に秘めていたのです。一方で、「投資とはいえ、リスクは可能な限り抑えたい」とも考えていました。もちろん、不動産投資にリスクはつきものです。しかし資産形成を一番に考えると、「資産が目減りするリスクはできる限り抑えたい」というF様の思いは、十分納得できます。

 

F様に、最終的に提案したのが、下記のような物件です。

 

■F様が購入したアパートの概要

物件価格:6900万円

エリア・交通:東武東上線沿い/最寄り駅から徒歩14分

利回り:満室想定7.85%(現況利回り7.85%)

土地:389.38平米/建ぺい率 50%/容積率 80%

建物:木造/建築年 1991年/延床面積 311.35平米/間取り 2K 8戸

 

上記は、東武東上線沿いでも、今後土地値が下がりづらい駅に立地し、地盤も強固。しかも担保評価が高い物件です。担保評価というのは、不動産を担保に金融機関から融資を受けるときに、金融機関が出したその物件の評価のことです。

 

金融機関は、名義人が万が一融資の返済ができなくなったときに備え、きちんと融資額を回収できる評価を出しています。一般的には売買価格の70%が1つの目安になりますが、最近の区分マンションでは、フルローンといって、売買価格の100%で担保評価を出されている物件もあります。

 

これらが決め手となり、F様は購入を決断。返済7年目で「公示価格>残債」になるよう、変動金利の34年ローンを利用しました。

 

F様は当初は、「住んでいる人が家賃を支払ってくれて、そのお金でローンを返済」という仕組みに、しっくりきていないようでした。しかし、「金融機関からもお墨付きをもらった物件ということで、安心して購入の判断ができた」と、最終的には納得していたようです。

 

物件購入から約3年が経ちますが、これまで1部屋も退去が起きていません。安定した人気の高い物件をつかむことができたのです。

 

また、購入時に物件の修繕がしっかりと行われていたため、これまで小さな修繕も一度も発生していません。修繕はいつ必要になるかわからないため、満室経営により積みあがっているキャッシュは、そのまま手を付けずにいるとのことです。

不動産投資の「成功例」として紹介できる事例

私は、F様の不動産投資は成功だったと考えています。成功のポイントは2つ。

 

1つは、業者との信頼関係の構築。不動産投資は、購入することが目的ではなく、購入後にいかに運用していくかが成否の鍵です。そのためには、業者との信頼関係の構築が重要です。F様の場合、決断までに1年の時間を要しました。その間、少しずつ関係を構築していき、きちんと自身で納得できた段階で投資判断を下すことができました。

 

もう1つのポイントは、F様にとって「身の丈にあった投資」だったということです。リスクが取れない状況で、数千万円の融資(借金)までして不動産投資をする必要はありません。万が一空室期間が出た場合、融資の返済ができなくなるというリスクがあるからです。

 

融資を借金と認識せずに、フルローンまで組んで、返済ができず自己破産まで追い込まれるケースも少なくありません。従って、自身の投資目的をきちんと認識し、身の丈に合った投資プランを作成することが重要なのです。

 

 

川越 明日菜

株式会社NewCity 営業部主任

 

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本連載は、株式会社エワルエージェントが運営するウェブサイト「Estate Luv(エステートラブ)」の記事を再編集したものです。今回の転載記事はこちら

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