経営コンサルタント高橋貴子氏の著作『黒字へ飛躍!もっと稼げる自宅教室の集客・成約バイブル~理想の顧客を確実に獲得し、利益を2倍にする方法』(合同フォレスト)から一部を抜粋し、「お客様にアプローチするタイミングとSNSの発信頻度」に関して見ていきます。

「押し売りと思われるのがイヤ」が非効率なワケ

「三歩歩けば忘れる」動物といえば「鶏」が有名です。「ニワトリ」は「犬」などと違って芸もせず、物覚えも悪く人に従わないことから引き当てられたという説があるそうで、「すぐに忘れてしまう人」または「よく忘れる人」を表現するときにも使われます。

 

人間の場合、鶏ほどは早く忘れませんが、時間の経過とともにその記憶は薄れていきます。ですから、お客さまへアプローチする際も、当日中に行うのがよいのです(下記図表参照)。

 

これは、ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスが発表した「エビングハウスの忘却曲線」(時間の経過によってどれだけ忘れるかを数値化した表)を基に説明することができます。
 

 [図表]「エビングハウスの忘却曲線」で見るお客さまへのアプローチ時間 *お客さまとの接触=メール、電話、動画、対面等でコンタクトを取ること

[図表]「エビングハウスの忘却曲線」で見るお客さまへのアプローチ時間
*お客さまとの接触=メール、電話、動画、対面等でコンタクトを取ること

 

正確には「記憶の定着率」と「記憶の呼び起こしにかかる時間(節約率)」を実験したものですが、ここでは、「時間の経過とともに覚えている度合い」と「それを呼び起こして記憶を定着させるには」という観点で理解してください。

 

これを基に「お客さまへのアプローチ」の最適時間についてお話しします。私は元からこの忘却曲線を知っていたわけではありませんが、営業的な肌感覚で「気持ちの熱量」と「成約率」の関連性はなんとなくあるのだろうと感じていました。

 

たとえば、体験会を開催したとき、「今後参加する・しない」の意思確認を体験会当日にするのと、翌日にするのとでは結果は異なります。

 

なぜなら、翌日だとその時の気持ちの70%は忘れてしまっているからです。そこから再度気持ちを確認して、その時の気持ちになってもらい、もう一度説明するのは、実はとても骨が折れる作業なのです。

 

「人は忘れやすい生き物」ということをおわかりいただくと、「押し売りと思われるのがイヤ」「しつこいと思われるから聞けない」という思い込みは教室運営において、どれだけ非効率なことなのかも理解できると思います。

 

ただし、じっくり検討してほしい高額レッスンなら、逆に気持ちが冷静になった翌日以降に聞いてみるほうがいい場合もあります。ケースバイケースで対応してください。当日中のアプローチ方法はいろいろありますが、体験会終了時に一度意思確認をした際に、すぐに決められなかった方、じっくり考えたいと申し出があった方には、「期限を決めて」待つ姿勢を伝えましょう

 

たとえば、「本日の提案内容は体験会に参加いただいた方だけのプランで、今日から3日間有効です」などと期限を区切ると、相手も真剣に考えてくださいます。これも熱意がある当日だからこそ、効いてくるポイントになります。

 

ただし、じっくり検討してほしい高額レッスンなら、逆に気持ちが冷静になった翌日以降に聞いてみるほうがいい場合もあります。ケースバイケースで対応してください。

 

当日中のアプローチ方法はいろいろありますが、体験会終了時に一度意思確認をした際に、すぐに決められなかった方、じっくり考えたいと申し出があった方には、「期限を決めて」待つ姿勢を伝えましょう。

 

たとえば、「本日の提案内容は体験会に参加いただいた方だけのプランで、今日から3日間有効です」などと期限を区切ると、相手も真剣に考えてくださいます。これも熱意がある当日だからこそ、効いてくるポイントになります。

毎日なでていた「野良猫」をかわいいと思うように…

人は、接する回数が増えるほど、その対象に対して好印象をもつようになります。これを心理学用語で「ザイオンス効果」といいます。

 

昔、賃貸の古アパートに住んでいたときのこと。近所の野良猫が懐いてしまったことがありました。「にゃー」と言われたときに「にゃー」と答えてなでてあげたのがきっかけで、会社に行くときや帰宅時にどこからともなく現れて、お見送りとお出迎えをしてくれました。太ってコロコロしていて、美形ではなかったのですが、毎日けなげに顔を出してくれていたので、いつしか私はその猫を「かわいい」とさえ思っていきました。まさに「ザイオンス効果」でした。

 

これは教室運営においても同じです。

 

SNSで発信する、ブログを書く。苦手だし、毎日続けるのが面倒だという方もいるかもしれません。でもなぜやり続ける必要があるのかというと、生徒さんとの接触回数を増やして「ザイオンス効果」を狙うためです。

 

私は開業当初、さまざまな媒体での発信を「お仕事」と割り切って淡々と毎日アップしていました。よく「モチベーションが上がらないから書けない」という話も聞きますが、「タイムカードを押すのにモチベーションはいらない」のです。つまり、タイムカードを押すのと同じくらい、SNSの発信は当たり前のことといえます。

 

とはいえ私の発信量はそれなりに多かったと思います。ブログも動画も合わせれば軽く5000本は超える量を発信しています。そうなってくるとどうなるか?

 

まさに「ザイオンス効果」です。ある一定のコアなファンの方が私のブログや動画を見てコメントをくださったり、レッスンに参加してくださるようになりました。そうすると当然張り合いも出てきますし、楽しくなってくるのでますます発信量は増えます。

 

少なくとも、何らかのWEBサイトで1日に1回は発信をしてください。そうしたことで、あなたをそんなに意識していなかった人も多くの情報に触れることによって、ファンになっていき、結果として集客も成約も楽になります。

 

「接触頻度は多ければ多いほうがいい」。そのためにSNSという便利なツールがあります。個人が自由に発信できるいい時代になったなと心から思います。

黒字へ飛躍! もっと稼げる自宅教室の集客・成約バイブル: 理想の顧客を確実に獲得し、利益を2倍にする方法

黒字へ飛躍! もっと稼げる自宅教室の集客・成約バイブル: 理想の顧客を確実に獲得し、利益を2倍にする方法

高橋 貴子

合同フォレスト

22年の営業経験と、自らパン教室を開業・運営した実績をもとに導き出したノウハウで実践的に指南!テクニック・ノウハウだけでなく、教室経営者として身につけておくべきマインドも学べます。

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