「意思決定までの時間が早いか遅いか」で何がわかる?
私が多くのクライアントと接してきて感じている一つのポイントがあります。それは、「即断即決能力」です。
「意思決定までの時間が早いか遅いか」と言い換えることもできます。
たとえば、「参加したい!」と思うセミナーがあったとします。もちろん、そのセミナーは魅力的な内容で、仕事の役にも立ち、かつ以前から行きたいと思っていたもの。
その時、私の場合は「日程さえ合えば」すぐに予約を入れます。その決断には5秒もかかりません。条件が「日程さえ合えば」という点だけだからです。
この決断に時間がかかる人は、たとえば「お金がない」「新幹線代がもったいない」「レッスンが続いているから体力がない」「本当に行く価値があるのか」などさまざまな事情と理由を考えた揚げ句、そのまま申し込みを忘れてしまうのです。
もちろん、じっくり思慮したうえで自分の投資先を考えるのも必要です。しかし、普段から多くの情報に触れて「自分にとって何が必要か」を常にシンプルに考えている人は、タイミングよくその情報に触れると「すぐに決断」ができます。
意思決定速度は、そのままお客さまの成約率にも反映されます。
つまり、自分の事柄の意思決定速度が早い方は、お客さまに対しても「お待たせする」ことがとても少ない。なぜなら通常自分がその速度で動いているので、「待たせてしまう」ことは「申し訳ない」という感覚が身についているのです。
この「時間感覚」は特にビジネス社会においてはとても重要で、「仕事ができる人ほど返信が早い」という法則は100%に近い感覚で言い切れます。
ある知人の経営者から「主婦からプチ起業の人は時間を守らない、返信が遅いから話にならない」ということを聞いたことがあります。確かに「一般的な主婦感覚」からすると、ビジネス界の時間感覚は相当早いかもしれません。だからこそ、主婦から転身して起業する方は「時間の使い方と感覚」は特に意識したほうがいいと思います。
これは、あなたがお客さまとしてサービスを受ける側になったときのことを想像してみましょう。自分がお客さまだったときには、「返信が遅い」だけで「本当に届いているのか」と不安になったと思います。結果として「不安」は「不信感」に変わっていきます。時間がかかるほど「不信感」が募ります。
逆に返信が早ければお客さまは「安心感」をもち「信頼」を感じます。この観点からすると、すでに申し込みや問い合わせの時点であなたは無意識に判断されているのです。
「応対スピード」の早さは信頼も同時に得られる
「成約率が高い方」は、あらゆる業界でも「トップセールス」と呼ばれる方ですが、この方たちはとにかく「返信が早い」かつ「マメに連絡をする」方たちです。細切れの時間を一瞬たりとも無駄にせずに、返信したり手紙やハガキなども書いたりしています。とにかく時間の使い方がとても上手なのです。
私も以前にこんな経験がありました。
ある時、すごく有名な写真家の先生の写真集と本を買いました。その本の内容にとても共感したので、その興奮をそのまま伝えたくて深夜0時ごろでしたがメールを送りました。
私は自分の感動を伝えたいだけだったので、特に返信を期待してはいませんでしたが、その日の深夜1時30分ごろに丁寧な返信メールが届いたのです。私が感激したのは言うまでもありません。その人柄・人生観はまさしく本に書いてあったとおりだったので、私はその人のことがもっと好きになりました。
その時以来、私は「こんなに有名な人でもたった1人の名もないファンを大事にするのか」という気づきから、自分の時間の使い方とお客さまに対しての心配りを見習って自分でも実践するようになったのです。
このような気持ちで全方向に対応していると、個人、法人問わずとても「信頼」していただけるようになっていきました。特に「法人」の方は「応対スピード」が遅いと、それだけで取引がなくなる場合もあります。「納期・時間厳守」はもちろんですが、相手の期待値の返信速度や応対速度よりも早いと、それだけでも「信頼」が得られて仕事がスムーズにいくことを実感しています。
結論として、教室業・そうでない職業にかかわらず「時間の使い方がうまい人&返信が早い人」は「信頼」してもらえるので「成約率」が高くなります。話がうまいから成約する、というよりもそれ以前の土俵で実は勝負がついていることだってあります。
時間の使い方、信頼される応対になっているかをセルフチェックしてみてください。
高橋 貴子
株式会社Libra Creation 代表取締役