ネット集客において「スマホで見る」HPの構成が重要
一般的に数字が苦手な女性は多いのですが、とりわけ教室の先生となるとさらにその傾向は顕著になります。おそらく、「数字・パソコン」は教室の先生の二大苦手要素ではないでしょうか。私も文系ですし、数学や物理は劇的に苦手でしたので、その気持ちはとてもよくわかります。
しかし、社会人になり、営業職で生きていくには必須だったので、後天的に使えるようになりました。そのかいあって、教室業でも営業的な数字が扱えると認識され、有利に活動することができました。
さて、「時代の変化を数字で捉える」という感性はとても大切です。時代はいつでも変化と進化をし続けています。この原稿を書いているときから、実際に出版されるときまでの間もさらに世界は動き続けていることと思います。
時勢や流行を捉える感覚は教室運営の方向性を決めるうえでもとても大切なセンスです。
たとえば、ネット集客における「時代の変化」で一番顕著な例は「スマートフォン(スマホ)の普及」だと思います。スマホの普及は2010年から2016年までの間でも9%から72%へと、約8倍の伸び率です。
この時代の変化をどのように教室運営に変換するかがポイントです。
まずネット集客においては、スマホで見るHPの構成が重要です。スマホの普及に伴い、「レスポンシブデザイン」という、パソコンでもスマホでも見やすいレイアウト表示に自動変換される制作の仕方が主流になりました。
この対応を知らない、またはしていないHPはGoogleのルールにより、順位が下がる方向になっています。結果として、新規の生徒さんには見つけてもらいにくくなります。
時代の変化を捉えて「集客方法」も変える必要がある
他にも、「口コミ集客とSNSの普及」という時代の変化もあります。
「10年前は口コミで何もしなくても集客できていた」というのはよく聞く話です。これは正確にいうと、「集客ができていた」というよりは「相対評価」でうまくいっていたケースも多く、当時は教室を比較するための情報が少なくて、習いたい生徒さんの数のほうが多かったのです。まさに需要と供給の関係です。
いまでも、もちろん口コミは効果的ですが、新規の方はほとんどが「検索」から来るケースが多いです。10年前に口コミで10割成り立っていた教室が、「口コミ1割、その他SNS9割」の集客方法に変えないと立ちいかなくなっている現実もあります。時代の変化を捉えて、集客方法も方向性を変えなくてはいけないのです。
そしてまた、情報の多様化はそのまま「使用できる材料の多様化」にも連動します。パン教室でいうと、小麦や砂糖、塩の種類が10年前とは比較にならないぐらいに増えています。おそらく5倍から10倍の種類の豊富さです。この現象はパンに限らず、お花や雑貨などすべての教室でも起こっています。
そのような状況で、どの材料を選び、何を提供するのか(新しい物・安い物・高い物・特殊な物など)を、教室のコンセプトと特徴に合わせて提案していかなくてはなりません。こちらも教室の変化対応力が問われるシーンの一つです。
このような時代の変化を実数字として捉えて対策していくことも、今後の教室運営には必要になります。そのため、時代の流れと数字を上手に取り入れるほうが結果として楽になるのです。
これからは先手必勝の心意気で、数字と仲よくなってみませんか?
高橋 貴子
株式会社Libra Creation 代表取締役