今回は、コインランドリー経営に重要な本部と加盟店との信頼関係や、コインランドリー業界におけるマーケティング戦略について解説します。※手間なし、人材要らず、低リスクで稼ぐことが可能なコインランドリー経営。本連載は、株式会社ジーアイビー代表取締役である鈴木 衛氏の著書『デキル経営者だけが知っている “稼ぐ”コインランドリー経営』より一部を抜粋し、経営者のあらゆる悩みを払拭する「洗濯ビジネス」を紹介します。

本部と加盟店は、大切な「パートナー」の関係

これまで、新規事業には非常に便利という点で、フランチャイズという仕組みをおすすめしてきた。しかし、私はもともとフランチャイズの仕組みがあまり好きではない。本部だけが着実に儲かり、リスクは加盟店に背負わせるようなフランチャイズに加盟し、損をした経営者をたくさん知っているからだ。仕組みを説明するためにフランチャイズという言葉を使ったが、できれば別の言葉を使いたいとも思っている。

 

ただ、中小企業の経営者たちにコインランドリー事業をすすめたいと思った時に、未経験でも参入しやすく、出店前の準備から出店後の支援まで全面的にサポートできるようにしたかった。そのための方法を考えたら、いわゆるフランチャイズに近い仕組みにたどり着いたということだ。

 

 

私が考えている事業をもう少し正確にいうと、マーケティングの分野などで経営を支援する本部と、パッケージ化した仕組みを使って自分の会社を安定させたい加盟店のパートナーシップだ。

 

パートナーであるから、本部と加盟店がそれぞれの責任を果たし、それぞれが適正なリターンを得る。リスクとリターンの比率も同じにする。

 

フランチャイズ本部として、私たちは店舗管理費用を売上の20%をいただいている。この費用は、パートさんの給与、採用、教育、24時間電話対応、緊急時の現地への出張費、集金、インターネット契約、1年に一回の外装クリーニングから、7年に一回の内装のリフォームが含まれる。最低月額12万円を設定してあるものの、その管理店舗が軌道に乗りオーナーが儲かるまで完全に赤字だ。

 

しかも最近では、スーパーバイザー制度を設けて、経験を積んだ人間が15店舗から20店舗を担当し、その店舗が良くなり売上を上げることのみを業務として勤務している。そのコストも含まれているから、本部としても各店舗の売上が完全に自分事となる。この仕組みには賛否両論があったが、私たちはこの仕組みで行くことを結論とした。

 

まさに、その関係性があるから、本部と加盟店のきずなは強くなり、本来ビジネスのあるべき姿であるウィンウィンの関係が出来上がっていく。

マーケティング戦略がなされていない店舗が多数!?

フランチャイズであれば、加盟店舗の売上を上げることは本部の重要な役割の一つだ。私が、コインランドリーの業界を調査して驚いた話として、全くと言っていいほどマーケティング戦略の構築がされていないという話を書いた。

 

昔からある古い店舗では、売上は集金して初めてわかるような店舗さえあり、機器ごとの売上や時間帯別の売上などが全く分析されていない。

 

また、ポイントが付くメンバーカードやプリペイドカードは存在し、結構たくさんの店舗で使われている。しかし、これはすでに利用しているお客様に対しての囲い込みの施策であり、本来のマーケティングではない。

 

私が思うに、このような未成熟の業界でのマーケティングは、いかに利用していない人に利用客になってもらうかの戦略的施策が重要だと考える。

 

またコインランドリーの売上は天気に非常に左右される。雨降りは面白いように売上が上がり、土日の売上も高い。機器の稼働率は12~14%だが、土日の雨の日は、稼働率は80%近くなることもある。タイミング的に機器が全て利用中となり、店舗には来たが帰ってしまうお客様もいる。

 

この点を考えれば、収益を上げるマーケティングは、いかに稼働率を平準化して少しでも稼働率を上げること、利用したことのない見込み客をいかに利用客にしていくかがキーとなる。これをアナログで行おうとすると費用対効果が得られない。

 

そこで私たちは、コストをかけずにこれらの施策を実行する方法を構築し完成させた。ここでは公にできないが、間もなく世に出ることとなるだろう。さて、ここまでがフランチャイズの仕組みを使ったコインランドリー経営の全体像だ。次回からは、具体的な収益の例を見ながら、コインランドリー事業の可能性について見てみたい。

 

鈴木 衛

株式会社ジーアイビー代表取締役

 

 

 

 

デキル経営者だけが知っている  "稼ぐ"コインランドリー経営

デキル経営者だけが知っている "稼ぐ"コインランドリー経営

鈴木 衛

幻冬舎メディアコンサルティング

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