コインランドリーが今後ますます「生活に不可欠」になる理由

急成長を遂げるコインランドリー市場ですが、コンビニや携帯電話と同様、一度浸透すれば生活に欠かせない存在になると考えられます。本記事では、その理由を考察します。※手間なし、人材要らず、低リスクで稼ぐことが可能なコインランドリー経営。本連載は、株式会社ジーアイビー代表取締役である鈴木 衛氏の著書『デキル経営者だけが知っている “稼ぐ”コインランドリー経営』より一部を抜粋し、経営者のあらゆる悩みを払拭する「洗濯ビジネス」を紹介します。

コインランドリー市場はこれからも成長する

成長産業といえば携帯電話業界がいい事例だが、私は18年前、携帯電話販売会社のCFOとして取締役に就任した。18年間、業界の流れと勢いを見てきて、成長市場のすさまじさを痛感した。就任当初、従業員2名、売上5000万円だったこの会社は、今では従業員250名、売上70億円企業となった。当然経営手腕は必要だが、この会社は特別に営業をすることなく店舗をつくっていけば売上が上がっていった。成長産業でない小売業で18年の間に140倍の売上を上げたとしたら神業としか言いようがないのではなかろうか。

 

成長産業でなく成熟産業で勝負するのは非常に困難である。すでに何年も業界を経験している会社に対抗する必要がある。最近ではSNSの発達で、ベンチャー企業でも非常に短い間に業界でかなりのポジションへ上がる会社も少なくないが、どちらにしてもWEBマーケティングやSNSの専門知識が必要だし、専門知識を持った人間を雇ったとしても年間2000万円以上のコストがかかる。

 

いずれにしても、いち早く成長市場を見つけて参入することである。市場が勝手に売上を上げていってくれる。

 

 

最近の成長市場といえば、「日経MJ」にこんな記事が載っていた。サービス業の業種別部門売上高増減率を調べた記事だ。旅行業を除く35業種のうち、8割強にあたる29業種が2015年と比べ、増収だったと回答している。全体の平均は1.4%の売上が増加している。その中でも特筆すべき成長を見せたのがコインランドリーだ。ほとんどが0~5%増で収まっている中、コインランドリーは前年と比べ売上が44.5%増となり、全体で一番の増加率だった。また17年度の売上増加の見込みも40.1%となっており、まさにコインランドリー市場こそ成長産業といっても過言ではない。

重要なのは「定着するかどうか」という点

成長市場はいつの時代も存在する。しかし、重要なのはその市場自体が突発的なニーズではなく、その後の人の生活に定着していくかどうかということであり、また、ここで重要なのは、このタイミングで業界においてどのポジションにいるかということである。
前に書いた携帯電話販売会社を例にすれば、日本国内の携帯電話の契約台数は日本の全人口を超えた。そうなると携帯電話販売会社は新たな新規契約ではなく機種変更の売上しかないことになる。

 

しかし、ある一定の契約台数を持っている販売会社は、この契約件数に応じた継続手数料というものが入ってくるのだ。過去の実績で数年間、安定して何もせずとも収益が入ってくる。

 

この会社はかなりの規模の契約を持っているため問題はないが、逆に5店舗以下の販売店は現状通信会社からノルマを達成していないことから販売権のはく奪を余儀なくされているのが現状である。そして、この会社には、はく奪された会社の店舗を買収する話が定期的に舞い込んでくる。

 

つまり、成長→定着→成熟→競争→淘汰のサイクルは、どの業界でも当たり前のことで、この競争淘汰のタイミングでいかに強みを持っているかがカギとなる。

 

コインランドリーはどうだろう。成長産業なのは理解できるとしても強みはどこにあるのか。それはズバリ「立地」である。実際、コンビニ経営をしている会社の決算などを通じて、ドル箱になっている店舗がある。競合が寄り付きにくい場所に店を構え、長い間地域に密着して粛々と利益を上げている。

コインランドリーと、コンビニ・携帯電話の共通点

一方、今まではそれほど生活に密着していなかったものが、時間とともに密着するようになり、生活に不可欠なものになる場合もある。その代表的な例がコンビニと携帯電話だ。
コンビニができた当時、世間の評価は冷たかった。高い。品揃えが少ない。スーパーマーケットで買った方が安い。ほとんどの人がそう感じた。

 

しかし、現在はどうだろうか。毎日のようにコンビニに行く人はいるし、コンビニなしでは生きていけないという人もいる。家からスーパーまで距離がある地方では、すぐに行けるコンビニが高齢者にとって身近な店になり、生活のインフラ的な役割を果たすようになっている。

 

携帯電話についても同じことがいえるだろう。携帯電話も世の中に出た時の評判はイマイチで、高い、家の電話と公衆電話があるからいらないといわれていた。携帯電話を持つ人が、通話料節約のためにわざわざ公衆電話から電話することもあった。

 

ところが、今は仕事をしている人だけでなく、主婦も、高齢者も、子供も携帯を持つようになった。公衆電話の数は激減しているし、目の前に公衆電話があってもほとんどの人が携帯電話からかける。家に固定電話がないという人も多い。

 

 

なぜこの二つは生活密着型になったのだろうか。理由は単純で、便利だからである。必要なモノが一通り揃い、モノ余りの社会になっていくにつれて、商品そのものに関心を持つ人は減り、便利さなどが注目される。「こんなものがあったら便利」と感じるものは、これからも生活との密着度が増していくだろう。

 


また、一度生活密着型となったら、よほどのことがない限り市場が消えることもない。人は、一度経験した便利さを簡単には手放すことができないからだ。いまさらコンビニなしの生活ができるだろうか。携帯電話なしで暮らせるだろうか。「無理だ」という人は多いはずだ。それはつまり、コンビニや携帯電話関連の需要と市場が消える可能性がほとんどないということだ。


コインランドリーもこの先、この段階に入ってくるであろう。利用したことがある人ならわかるだろうが、コインランドリーは便利である。現状、実際に使ったことがある人はまだ少ないが、利用者が増えていくにつれ、コンビニや携帯電話ほどとは言わないが、「コインランドリーなしでは生活できない」と考える人も増える。


実際、私の家内がいい事例である。コインランドリー事業の調査をしている時、実際に使ってみようと思い、ちょうど天気の悪い日が続いて洗濯物がかなりたまっていたため、家内をコインランドリーに誘ってみた。


彼女は「どこの誰が何を洗ったかわからない洗濯機で洗濯なんかしたくない」という。仕方がないので私と息子の洗濯物を持って家内とコインランドリーに出かけた。最新の機械は、利用する前にボタンを押すと2分間温水で洗濯槽内を洗浄してくれる。洗濯物を入れて歩いて行ける飲食店で家内と2人で食事をした。たわいもない話をしている間に家内の携帯に洗濯完了のメールが入る。飲食店を出てコインランドリーで洗濯物をたたんで自宅に持って帰る。洗濯にかかった実質時間は移動も併せて1時間余り。


しかしその間、家族で食事しコミュニケーションも図れた。また家内が洗濯に関わった時間は15分程度。ここで家内の意識が完全に変わった。これまで天気の様子を見ながら、干す時間を入れれば毎週20時間程度洗濯にかけていた時間が1時間で終わるのでは無理もない。


毎日育児と家事に追われ、ストレスを感じていた彼女の問題をコインランドリーが一瞬にして解決したのである。本書(『デキル経営者だけが知っている“稼ぐ”コインランドリー経営』)前章でも触れた通り、洗濯は生活に密着しているが、コインランドリーはまだ密着しているとは言えず、まさにこれから密着度が高まっていくものだと思う。

 

 

 

鈴木 衛

株式会社ジーアイビー代表取締役

 

株式会社ジーアイビー 代表取締役

1970年1月10日生まれ。
大学在学中30歳で経営者となることを決意。
卒業後、経営の勉強と経営に必要な会計税務の知識構築の為に税理士事務所に入社。
成功するためには、業種ではなく経営者の考え方である事を認識。
また、税理士事務所がここまで中小企業の近い存在でありながら、税務会計の業務しか行わない事に不甲斐無さを覚える。
独立後、顧問先数社の取締役として経営に参画、そのうちの1社が10年間で売上が100倍に。

2000年 独立、中小企業のためのコンサルティング会社エムジェーシー設立。
2003年 税理士事務所開設、副所長に就任
2009年 大学院入学2011年経営学修士(MBA)修得。他学部へ再入学6年在籍後卒業。
2010年 株式会社ジーアイビー設立 代表取締役就任。
2014年 株式会社ジーシーエス設立 代表取締役就任。
2018年 センチュリオン税理士法人設立 副所長就任。
2018年 センチュリオングループ結成。会長に就任。

[趣味]モータースポーツ。アメリカンフットボール経験18年。
〔資格〕AACSB&AMBA認定 MBAホルダー
    法学修士

著者紹介

連載デキル経営者だけが知っている ”稼ぐ”コインランドリー経営

デキル経営者だけが知っている  "稼ぐ"コインランドリー経営

デキル経営者だけが知っている "稼ぐ"コインランドリー経営

鈴木 衛

幻冬舎メディアコンサルティング

「洗濯」を「選択」せよ!利益が伸びない、資金繰りができない、慢性的な人材不足・・・。経営者のあらゆる悩みは、新事業の“洗濯”で払拭する! 東京商工リサーチによると、中小企業の倒産件数は年間約8000社にも及びます…

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