「突き抜けた行動」を実践している会社の具体的な事例

今回は、中小企業の経営資源(人、モノ、カネ)の不足を補うために必要な「行動力で突き抜ける」姿勢、および具体的な事例を見ていきます。※本連載では、公認会計士・米国公認会計士の資格を持ち、数々の企業でコーポレートファイナンスを通じて新たなスキームを構築してきた株式会社H2オーケストレーターCEOおよび一般社団法人M&Aテック協会代表理事である・久禮義継氏が、新時代に中小企業が生き残るための経営戦略を提案していきます。

企業が「行動力で突き抜ける」ための3つのヒント

この連載の第2回で、「経営資源の豊富さはほとんど問題とならない」と説明しました(関連記事「大仁田厚に学べ!中小企業が見習うべき「弱者の」戦略とは?」)。では、中小企業の非常に限られた経営資源のなかで具体的に何をどうすればいいのでしょうか。その限界をブレイクスルーするやり方として、「行動力で突き抜ける」というものがあります。

 

これには単一の解があるわけではなく、個々の中小企業が直面する状況や課題に照らし合わせ、思い巡らせることによってさまざまな形を考える必要があるでしょう。

 

したがって、今回は行動力で突き抜けるためのヒントを示すとともに、その実践といえるようなケーススタディをいくつか紹介します。

 

さまざまなやり方があると思いますが、具体的に行動する前に、次の3点に着目することがヒントとなるのではないでしょうか?

 

意図的にカオスを生み出す姿勢

何かモノゴトを思案する際に、出てきたアイデアに必ず「なにか違うのではないか?」、「なんかつまんなくね?」と疑問に思ったり、自問自答するクセをつけたりするのが効果的な方法のひとつです。ただ、これが原因で周囲(従業員等)と軋轢を生み出しては意味がありません。意図的にカオスを生み出して、その後続く行動にエッジを効かせるのです。

 

ユニークネス(唯一性と遊び心の共存)

競合と同じことをしても、「行動した」といえるかもしれませんが、突き抜けるまでには至っていません。これも第2回で解説した「差別化戦略」にもつながってきます。唯一性の持った価値の創造は困難な分、やはり見返りは大きい。その場合、若干の遊び心があった方が愛嬌があり、取引先や従業員からの賛同が得やすくなるのではないでしょうか。

 

爆発力(スピード x エネルギー)

「突破力」といってもいいでしょう。拙速なのはよくないですが、突破するには一定のスピードとエネルギーが必要なのです。うわべの行動はみんなにバレてしまいます。文字通りしっかりと「汗をかく」必要があるのです。

 

また、爆発力を実現するためには、「集団の力」をテコにするといいでしょう。中小企業とはいえ、団結力が高いとそれが束となって相当規模の会社に比敵するレベルパワーを生み出すことが可能になります。

全従業員の給料を細かく公開する会社も⁉

では、具体的に突き抜けた行動を実践している会社の事例をいくつか紹介しましょう。

 

「会議室の誰も座らない座席」(Amazon)

誰も座らない座席を実際に一席用意し、そこには顧客が座って聞いていると想定した上で議論を進める。

 

「赤裸々な情報開示」(Buffer)
透明性を担保するために、様々な経営情報など普通は内密にしている情報を社内のみならず外部に赤裸々に公開。

 

• 全従業員のサラリーを細かい報酬算定式とともに公開
(個々人の報酬明細)

→ https://docs.google.com/spreadsheets/d/11s9VSyf4yaYUsqBKLaVH78NL8wdl8gXoj5BGAzjIFuc/edit#gid=671465451

 

• メールを送る場合は、全従業員や特定メンバーをccに含めて送る(以下リンク先の通り、メールの一部を外部にも証拠として開示)

→ https://open.buffer.com/wp-content/uploads/2014/06/patrik.png

 

• ダイバーシティの達成状況として、詳細を図表で明瞭に開示(性別、国籍、年齢)
(ダイバーシティダッシュボード)

→ https://open.buffer.com/diversity-dashboard/

 

• 社内メンバーが読んだ本、興味のある本をピンタレストに公開

→ https://www.pinterest.jp/bufferapp/buffer-books/

 

全社員を全てシェアオフィスに移転(ベルフェイス)

こちらの会社は「シェアオフィス」にしたその理由を次の3点挙げている。

• クリエイティブ職の採用強化

• 冷静に計算すると意外に安い

• グローバル展開を本気で考えているから

→ https://note.mu/kazuaki_nakajima/n/n5e79f1f01b0c 

 

いかがでしょうか? 各社なかなか工夫していると思いませんか?

 

もちろん、無邪気に奇をてらって独自性を追求するだけでいいというわけではありません。「面白い!」と周囲からの賛同を得やすいかもしれませんが、重要なのが、何でも疑問に思って思考停止に陥らないこと。そして、熱意を持って迅速に行動に移すことだと思います。

 

さて、あなたの会社ではどういった特徴的な取り組みが従業員にフィットしそうでしょうか。今一度考えてみませんか?

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株式会社H2オーケストレーター・CEO
一般社団法人M&Aテック協会・代表理事
公認会計士(再登録手続中)
 

1995年、同志社大学経済学部を卒業後、中央監査法人に入所。1998年、日本興業銀行ストラクチャード・ファイナンス部へ出向。2000年、同法人金融部に配属。2001年、ドイツ証券投資銀行本部に転じる。2006年、ミシガン大学ビジネススクールを卒業後、The Bridgeford Group(ニューヨーク)にて勤務。2007年に帰国し、JPモルガン証券投資銀行本部、みずほ証券グローバル投資銀行部門など数社を渡り歩く。2013年、NEC経営企画本部に転じ、2019年独立。これまで、退職給付信託(国内初案件)の開発、民事再生法下のプレパッケージ型事業再生スキーム(国内初案件)におけるM&Aアドバイザー、事業法人グローバルIPOにおけるジョイント・グローバル・コーディネーター(2002年度国内最大案件)、特殊法人の民営化関連アドバイザー等、投資銀行業務における重要案件を幅広く担当した経験を有する。NECでは、上級役員の参謀役として経営の中枢に携わり、中長期戦略・グローバル戦略の立案・実行部隊として、ダボス会議事務局、グローバルアライアンス推進などに従事。公認会計士・米国公認会計士有資格者。著書に『流動化・証券化の会計と税務』(中央経済社)等。

著者紹介

連載令和時代に生き残る!中小企業のための新しい経営戦略

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