買取再販会社と売買仲介会社では収益構造が異なる
約3年前から、中間省略による売買が盛り上がっています。中間省略とは、業者による買取再販のことです。
買取再販業者は、収益不動産を地主や投資家から安く買い取って、外壁や屋上防水などの大規模修繕を行い、場合によっては満室保証も付けて投資家に再販します。同じ不動産投資家向けの物件を取り扱っている会社でも、買取再販を行う会社と、売買仲介を行う会社では、収益構造がまったく異なるので注意が必要です。
売買仲介の会社は、純粋に売買することで得られる手数料が収益となります。手数料は物件価格の3%と決まっていますから、物件が高いほど利益が高くなります。つまり、売主と利害が一致するわけです。高く売れれば、オーナー側にも業者側にもメリットがあります。
高値売却希望なら業者以外の一般顧客に売るのがベスト
一方で買取再販の業者は、オーナーから安く買い取って、利益を上乗せして転売します。安く買えれば買えるほどもうかる仕組みです。
高く売りたいオーナーには不向きですが、たとえば空室だらけで部屋はボロボロ、すぐに貸せる状態ではない・・・そんな物件を現金化したいと望む場合には、即金で購入してくれる、いわば救世主のような存在になるわけです。
買取再販業者が必ずいけないということではありません。自分の物件の状態や、売却を希望するスピードに合わせて取引を決めればよいのです。ただし、高値売却を望む場合には、しっかりと自分で売却準備をした上で市場に出して、業者以外の一般顧客に売るのがベストでしょう。
とにかく損切りをしてしまいたいケースや、相続のように一刻も早く現金化する必要があるケースにおいては、買取再販業者との取引には旨みがあります。しかし高値売却を目指す場合には、売り手が大きく損をする結果になりかねないのです。