病院の評判に直結する…受付スタッフ・近所の薬局の「好感度」

今回は、クリニックの集患の際に考慮すべき「受付」「近所の薬局」の対応について考察します。※医師を取り巻くキャリア環境が激変しています。医局に頼ってきた従来とは異なり、自らキャリアを形成し、開業医を目指す医師が増えているのです。しかし、安易な開業が取り返しのつかない失敗を招く場合もあります。本連載では、開業医を志す医師に向け、開業を成功に導くポイントと、開業を磐石なものにする資産形成の方法を解説します。

待遇より「医療理念」に納得したスタッフの採用を

開業したらスタッフの教育にも力を注がなければいけません。教育にはビジョン、ミッション、バリューの三つの経営の方針を軸にスタッフの採用や教育を進めていく必要があります。

 

なぜならば、高額な報酬や待遇だけを目当てにスタッフの応募にきた人は、結局、その待遇に慣れると不満を言いだすものだからです。

 

あるクリニックの理事長は、スタッフに十分な休日を取らせ、給料だけでなく、インセンティブやボーナスも充実させていました。ところがある程度の給料までいくとスタッフのモチベーションは上がらないばかりか、もっと休日や報酬が欲しいと不満を言い出すようになり、医療のサービスレベルは低下。クリニックの運営が難しくなったそうです。

 

だからこそ、給料と待遇だけではなく診療と医療理念に共感してくれたスタッフを採用し、クリニックの行動指針に合わせた評価制度をきちんとつくって、能力に応じた報酬を与える制度を整備したほうが良いでしょう。そして、評価の際には面談をし、クリニックが目指すゴール地点を共有することが大切です。

 

また、教育については、口頭で説明するだけではなく、マニュアル化することが大切です。もちろん、それも理念や行動指針にマッチしたマニュアルがあると良いでしょう。

 

加えて、クリニックの開業時には特にそうですが、何人かは自分が信頼できるスタッフを採用しておくことが大切です。それぞれの先生で独特のやり方があるので、その先生のやり方にピッタリと沿うようなスタッフを採用するとクリニックの運営がとてもスムーズになります。理念に共感してくれる将来のスタッフ候補を早い段階で見つけておくことをお勧めします。

患者との接点となる受付は「クリニックの顔」

スタッフの教育はマニュアル化した方が良いと述べましたが、それはどのスタッフが対応をしたときでも一定水準のクオリティの対応ができるように、という考えからです。

 

一定水準のクオリティが確保できれば、その土台の上で医師や看護師がそれぞれの役割に沿った応対や接遇をすることで、総合的にクリニックの評価は上がっていきます。

 

接遇で忘れがちなのは、受付スタッフの応対です。

 

患者が電話や来院するクリニックと接点を持つ際の顔になるのが、受付です。予約から受付、会計など診察や処置以外のほぼ全ての場面において、患者と接点の多いポジションになります。このため受付スタッフの応対いかんでは、クリニック全体の評価も大きく変わってくるので注意が必要です。患者といかに良好なコミュニケーションを取れるかがとても重要です。

「近所の薬局の悪評=クリニックの悪評」となる理由

また、薬局の存在も忘れてはいけません。医師の立場からするとクリニックの中だけで全ての診療が完結すると思いがちですが、クリニックを利用する患者にとっては、最終的に薬局で薬を手にして初めて診療が完結したと言えるのです。

 

多くの患者がクリニックの近くの薬局に流れて、案内したクリニックとセットで利用することになります。仮に薬局の対応が非常に悪い場合は、それがそのままクリニックの評価にも関わってくるので、注意しなければなりません。

 

近隣の薬局がどのような対応をしているのかは、きちんとリサーチしておきましょう。

医師自身のコミュニケーション能力も必要な時代

患者とのコミュニケーションも開業には非常に重要な要素の一つです。他のクリニックよりも優れた技術を所有していても、上から目線で患者を扱うような医師ではなかなか患者が来院してくれませんし、口コミで悪評が広まってしまうこともあります。

 

せっかく検索エンジンで上位に表示されるようにGoogleマイビジネスに登録をしても、その自分のビジネスページで患者から悪評が書き込まれていたりしたら、集患にはマイナスに作用してしまいます。

 

このようなことがないように、医療はサービスであるということを改めて再認識するとともに、患者さんときちんとコミュニケーションを取ることが重要です。患者は不安を持って来院をするので、診察の時に不安を払拭できるような説明がとても大事です。ただし、一人に割ける時間も限られていると思いますので、スタッフと共に対応しましょう。

 

また、スタッフとのコミュニケーション不足によってもクリニック運営に支障を来すケースが多いです。待遇以前にコミュニケーションが取れないと、次々とスタッフが辞めていくこともあります。

 

それぞれのスタッフはそのクリニックにいなければいけない理由などなく、辞めても再雇用先があります。だからこそ、いかに辞めずに続けてもらうかが大事なのです。

 

そのためには普段からスタッフとコミュニケーションを取り、不満や希望をすくい上げていくことが大切です。腕だけ良ければコミュニケーションはいらないと言う時代ではないのです。

コンサルタントは「長く付き合えるかどうか」で選ぶ

医療コンサルタントと付き合うか、また、誰を選ぶかということはとても重要です。しかし、現在は様々な医療コンサルタントが増えており、玉石混交の時代です。一般企業でも言えることですが、医師にとっての本当のコンサルタントは、パートナーとして長く付き合えることでしょう。

 

クリニックの開業までのスポットのコンサルタントがよく見られますが、なかには悪質なコンサルタントも多いと言われています。

 

まず、開業までのスポットコンサルタントは、開業までしか手伝ってくれません。長い付き合いを前提にして信頼関係を築こうと言うコンサルタントは少なく、経営アドバイスにも無責任に対応するところも少なくないようです。

 

料金も開業コンサルタントのコンサルティングフィー自体は安くても、内装費用などから、キックバックをもらうため、相場の2割から3割程高い法外な内装費を請求されたなどの話もあります。

 

また、開業コンサルティングは実際的に集患、増患のプロではないケースが少なくありません。集患アドバイスを依頼しても、具体策自体が見当違いだったりするので、正しいアドバイスをしてくれるところや実績を上げてくれるところに依頼することが大切です。本当にこちらの意図を汲んで長い付き合いを前提としたコンサルティングを提供してくれる、船井総合研究所さんのような医療専門コンサルティング企業を探すと良いでしょう。

 

名前だけで判断をせずに実績をきちんと見るようにしましょう。

 

 

藤城 健作

ウェルス・コンサルティング株式会社 代表取締役社長

 

ウェルス・コンサルティング株式会社 代表取締役社長

千葉県出身。不動産デベロッパー、経営コンサルティングファームを経て、2009年4月ウェルス・コンサルティング株式会社を設立し、代表取締役に就任。
相続・事業承継問題を円滑に解決するための「日本相続研究所」、医師監修の医療メディア「DocReco」、クリニック経営を教える「開業会議」など、主に医師に向けた多様なサービスを展開する。
会計士や行政書士などの専門職をチームとしてまとめ上げるプロデュース力が高く評価され、多くの勤務医や開業医などを顧客に持っている。

著者紹介

連載勤務医の「キャリア&資産形成」戦略

勤務医の「キャリア&資産形成」戦略

勤務医の「キャリア&資産形成」戦略

藤城 健作

幻冬舎メディアコンサルティング

医局の影響力が弱まった、新研修医制度の施行ーー以降、医師のキャリアを取り巻く環境が激変しています。本書では、勤務医が今後のキャリアを考えるために役立つ情報を提供するとともに、著者の豊富なコンサルティング事例から…

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