マンションの買い替えを検討する4つのタイミング
【マンションの買い替えのキホン】
まずは、マンション買い替えのキホンといえる以下の点を解説します。
・マンションを買い替えるタイミング
・残ローンがあっても買い替えは可能
・売却金額でローンを完済できない場合
そもそもマンションを買い替えるときはどのような状況のときか?がわかれば、自分が買い替えるタイミングがいつ頃かイメージがわきます。また、ローンがある状態での買い替えや、買い替え時にしか借りられないローンも知っておくべきです。
さらに、マンションは一戸建てと違い、増改築出来ないという点がマンションの買い替えに大きく影響しています。つまり、部屋の広さを変えたいときには、増築することができないので、買い替えという選択をするということです。
・マンションを買い替えるタイミング
では、まずマンション買い替えはどのようなタイミングで行うかという話です。具体的には以下のようなタイミングでマンション買い替えをするケースが多くなります。
① 家族数の変化
② ビジネス環境の変化
③ 支払い金額を抑えたいとき
④ 市況による不動産価値の上昇
最も多いのは、家族数の変化によって、今住んでいるマンションが手狭になってくるケースでしょう。また、ローン支払い額もマンション買い替えに大きく影響してきます。
ただ、「マンション購入後○○年に買い替える」のように、マンションの買い替えタイミングに明確な基準はありません。基本的にはケースバイケースであり、人によって買い替え時は異なってきます。自分が描いているライフプランが、上記に該当するか確認してみましょう。
① 家族数の変化
家族数の変化とは、結婚や出産による家族数の増加だけでなく、子供の独立など家族数が減少するときもあります。家族数が増えるときは、今住んでいるマンションが手狭になり、広いマンションを買い替えるパターンです。このパターンが最も多いでしょう。
逆に、家族数が減少したときは、広いマンションからコンパクトなマンションに買い替えるときもあります。いずれにしても、家族数の増減によって、今住んでいるマンションの広さが自分に合わなくなった時に、マンションの買い替えは起こります。
② ビジネス環境の変化
ほかにも、ビジネス環境の変化による買い替えもあります。ビジネス環境の変化とは、たとえば以下のようなことです。
●転職して職場が変わり今のマンションから通えない
●転勤になったので引っ越しをする
●転職や異動で夜遅い帰宅になったので会社から近いところへ引っ越す
要は、転職や転勤、異動などを機に別の場所へ引っ越しするときです。ただ、このようなケースは前項の「家族数の変化」よりは機会が少ないので、ケースとしてはそこまで多くはないでしょう。
③ 支払い金額を抑えたいとき
マンションは住宅ローンを組んで購入しているケースが多いです。そのため、ローンの返済が毎月発生しますが、以下のような状況になり支払金額を減らしたい場合もあります。
●給与が下がって支払いが厳しくなった
●将来のために支払い金額を抑えたい
●金利が上がり支払い額が上がってしまった
●管理費や修繕維持積立金が増額した
このほかにも、上述した家族数の変化や転職などによって、支払い金額を抑えたい場合があります。その場合は、ローンの借り換えを検討する場合もありますが、安価なマンションへ買い換えるケースもあります。
また、変動金利の場合は、金利が上がれば支払い額は上昇します。ほかにも、マンションのランニングコストである管理費や修繕維持積立金が増額して、支払いが厳しくなるケースもあります。
④ 市況による不動産価値の上昇
また、市況により不動産価値が上がるときも、マンションの買い替えをすることがあります。つまり、「今売れば高く売れるから売ってしまう」ということです。不動産価格は日本全体の市況もありますが、エリアによっても価格帯は異なります。
そのため、たとえば「再開発をした」など自分のエリアの不動産価値だけが上がるケースもあるのです。そのようなときは、高く売れるタイミングなのでマンションを売却してしまい、その売却益を元に新しいマンションを購入するケースもあります。
「買い替えローン」は資金計画が非常に重要
・残ローンがあっても買い替えは可能
マンションを買い替えるということは、今住んでいるマンションのローンを原則完済する必要があります。いい換えると、残ローンがあったとしても、そのローンを完済することができれば、マンション買い替えは可能ということになります。ただ、その際は以下の点を認識しておきましょう。
① 残ローンがあるケースが多い
② 残ローンを完済する理由
残ローンについては、マンションの売却益や手持ち資金など、金銭的な要素が絡んできます。そのため、上記をよく理解しておく必要があります。
① 残ローンがあるケースが多い
マンションの買い替え時は、残ローンがあるケースのほうが多くなります。なぜなら、住宅ローンを組む期間は30年や35年などの長期間なので、完済する前に買い替えることが多いからです。
また、マンションは1,000万円単位の商品になるので、短い期間でローンを完済するのはなかなか難しいです。これらの理由によって、マンションを売却するときは残ローンがある状態が多いです。
② 残ローンを完済する理由
マンションを買い替えるときは、基本的に残ローンは完済する必要があります。一般的には、そのマンションを売却して得た売却益を、残ローンの完済に充てるという流れです。
なぜローンを完済する必要があるかというと、ローンを組んでいると、金融機関から抵当権(担保設定)が設定されているからです。つまり、金融機関が担保設定しているまま、第三者に所有権を移転できないということになります。
その抵当権を抹消するためには、住宅ローンの完済が原則です。そのため、マンションの売却は住宅ローンの完済が条件になるのです。
・売却金額でローンを完済できない場合
前項で解説したように、マンションの売却益をローンの返済に充てることできるので、売却益で完済することも多いです。しかし、売却益より残ローンの方が多ければ完済できないため、手持ち資金を捻出する必要がでてきます。
それが数十万円程度で済めばいいですが、数百万円の手持ち金が必要な場合は、なかなか手持ち資金から捻出するのは厳しいです。そんなときに利用できるのが「買い替えローン」です。買い替えローンを利用すれば、このような状況でも手持ち資金を捻出せずに買い替えできます。
買い替えローンとは?
買い替えローンとは住宅ローンの1種で、新たに購入するマンションと一緒に、今のマンションの残ローンも組むことができるローンです。
たとえば、今住んでいるマンションを売却してもローンが250万円残ってしまい、その状態で新しいマンションを購入するために3,200万円の住宅ローンを組むとします。その場合は、本来であれば残ローンの250万円は手持ち資金を捻出して完済する必要があります。
ただ、買い替えローンを利用すれば、残ローンである250万円も一緒にローンを組むことができるのです。つまり、新しい住宅ローンの3,200万円と残ローンの250万円、合計3,450万円のローンを組めるということです。
買い替えローンは審査が厳しい
このように、買い替えローンは、手持ち金を減らさずにマンションの買い替えができる点がメリットです。一方、以下の理由でローン審査が厳しいというデメリットがあります。
●借入金額が増える
●1つの担保で別の物件のローンを組む
まず、残ローンも一緒にローンを組むので、借入金額が増えるという点です。当然ながら、借入金額が増えれば審査ハードルは上がります。 また、買い替えローンを組むときの担保は、あくまで新しく購入するマンションだけです。しかし、その1つのマンションだけで、昔のマンションの残ローンまで組むので、その点でも審査ハードルは上がるというわけです。
買い替えローンの注意点
買い替えローンは、以下の理由で資金計画をきちんと立ててローンを組む必要があります。それが、買い替えローンを組む上での注意点です。
●借入金額が上がる
●残ローンが読めない
まずは、借入金額が上がるので返済額も多くなるからです。その返済額を加味して、きちんと資金計画を立てる必要があります。また、買い替えローンを申し込むときには、今住んでいるマンションを売り出し中のときになります。
つまり、今住んでいるマンションがいくらで売れるかわからないので、残ローンがいくらになるかもわからないということです。そのため、今住んでいるマンションの売却益は、「確実に売れる金額」で読んでおきましょう。
その分、借入金額も高めで審査することになります。ただ、売却益を固めに読んでおかないと借入金額が上がるので、再度買い替えローンの審査をすることになってしまいます。