客付が難しい投資物件…「民泊」活用で利回りUPさせる方法

今回は、投資用新築アパート購入で失敗しかけたオーナーが、「民泊」を活用してリカバーしたケースを紹介します。※本連載では、カリスマデザイナーズ大家として活躍する小嶌大介氏の著書、『だから、失敗する! 不動産投資【実録ウラ話】』(ぱる出版)の中から一部を抜粋し、失敗経験者の実例からその原因を検証、リカバリーするための不動産投資術を解説していきます。

駅近だが「治安の悪さ」で売れないお荷物物件に…

大阪在住で40代半ばの鹿野さんはプロです。どういうことかといえば、ビル管理関係の不動産屋さんに勤めているのです。

 

藤山勇司さんの『サラリーマンでも「大家さん」になれる46の秘訣』(実業之日本社)を読んで、競売(ローン返済が困難となった債務者が担保にした不動産などを、裁判所の管理下で強制的に売却する手続き)で10年ほど前に不動産投資をスタートさせています。そして、これまでに区分マンションや戸建てを中心に売買の経験があります。

 

1棟物件としては、山口県で昭和50年築の木造アパート(16室)をリフォームしています。本当は大阪で不動産投資をやりたかったのですが、これといった物件がなかったようです。 その後、2016年に大阪府O市内で新築アパートを買いました。その物件を買うときに民泊をやろうと考えて、自分で運営をしようといろいろ調べていました。そうこうしているうちに、すでに民泊は飽和状態になってしまったのです。

 

「今更どうなんだろうというタイミングだったので、普通のアパートとして貸したんです。すると水商売中心でマナーが悪かったり、夜逃げをしたりと入居者属性がいまいちです。そして部屋が2つ空いた状態でなかなか埋まりません。なぜ新築なのに入居者属性が悪く部屋が埋まらないのか。それは、主要駅から徒歩圏内で立地は決して悪くないにもかかわらず、いわゆる『治安があまり良いとはいえない地域』で客付が難しい場所だったのです。それだけ土地は安いのですが、どうしたものかと悩んでました」 と鹿野さん。半年くらい埋まらず、お荷物物件になってきていました。

 

●鹿野さんの新築アパートの概要

大阪府O市 T駅徒歩10分 木造アパート 6980万円

部屋数 6室

家賃 月47.4万円(当初)

ローン返済 月23万円 利回り8.14%→利回り9.18%

 

この地域の家賃相場は安いですし、広告料は2カ月以上かかるし思った以上にまわらない・・・そんな感じで当てが外れた鹿野さん。 鹿野さんの窮状を聞いた僕が、民泊の専門家である新山彰二さんにつなげて、相談に乗ってもらうことにしました。

民泊は「物件力」ではなく「魅せ方」がポイントである

新山さんは生まれも育ちも北海道なのに、大阪で特区民泊のコンサルタントをしています。不動産投資の自己資金をつくるため物販の副業をはじめたところ、そちらで成功して会社をリタイヤした異色の経歴があります。

 

「民泊というのはインターネットでモノを売ることによく似ており、物件力ではなくて『魅せ方』がポイントです。そのため不動産投資家だけでなく、物販からの参入も多いのです。自分はどちらも知っていることが強みです」と新山さん。転貸民泊で件数を増やしていき、今では特区民泊を中心に合法民泊を行ったり、合法民泊をはじめるためのサポートをしています。『特区民泊で成功する! 民泊のはじめ方』(秀和システム) という初心者にもわかりやすい書籍も出版しています。

 

「鹿野さんとお会いしたのは昨年の11月です。物件の住所を聞くと、民泊ができそうなエリアで間取りも民泊向きです。そこで現地を確認して、調査をしたところ特区民泊が可能なことがわかりました。こうなると消防設備の工事をどこまでやるのかがポイントです。今後を考えて、全部の部屋をやるのか、空室だけなのか、それでコストが変わります」と新山さん。鹿野さんは全室工事を行う決断をしました。

 

「だいたい100万円くらいかかりました。相談をした1カ月後、12月には工事も終わって、翌1月には1室埋まりました。今は満室です」 と鹿野さん。家賃は部屋によって若干違うようですが、一例をあげると7万5000円→10万8000円と、すごい上がり方です。

 

「正直、ここまで家賃が上がるのは珍しいです。というのも1LDK41㎡という民泊に最適の間取りだったんです。これが25㎡~30㎡だとそこまで上げられません」 と、新山さん。

 

なんでも普通賃貸の家賃と、民泊にしたときの売上にギャップがあるほど、民泊に向いている物件といいます。

 

「私が物件を買ったエリアは、普通の人からすると魅力がなく、入居者属性はいまいちですが、それが外国人旅行客からすると観光の利便性が非常に良い立地だそうです。その立地と物件タイプがちょうど特区民泊に最適だったようで本当にラッキーでした」 と、心折れかけていた鹿野さんも喜んでいます。

 

家賃が大きく上がり、利回りも8.14%から9.18%にアップしました。これだけ付加価値のついた物件であれば、何年か所有した後に売却することも容易でしょう。

 

ここで補足をすれば特区民泊の届出というのは、そこまで簡単ではありません。立地の条件をクリアすること、さらに消防設備工事が必要です。そのほか事前に住民説明会を開く必要があります。鹿野さんはスピードをもって動き、その結果も早く出ましたが、それは彼の決断力と新山さんというプロのサポートがついたことが大きかったと思います。一度は失敗をして心折れたのですが、その後に仲間の協力を得て復活したケースです。

通称、デザイナー大家。芸術系大学を卒業後、マス広告業界で約10年間グラフィックデザイナーとして勤務。2010年、脱サラを目指し手持ち50万円から不動産投資に挑戦、 デザイナー独自の目線と切り口で築古物件のプランディングし次々と高利回り物件に再生、蘇生するリノベデザイナーとして業界で一目置かれるカリスマ。所有物件15棟120室。平均利回り30%。
著書に『50万円の元手を月収50万円に変える不動産投資法』『廃屋から始める不動産投資』(ぱる出版)がある。

著者紹介

連載失敗の実例に学ぶ!リカバリー不動産投資術

だから、失敗する! 不動産投資【実録ウラ話】

だから、失敗する! 不動産投資【実録ウラ話】

小嶌 大介

ぱる出版

〜失敗パターンとリカバリー研究〜 「それをやっちゃうから、失敗するんでしょ! 」 エリートほど失敗する! ★「誰にも言いたくない失敗談」を赤裸々に告白した16事例 投資クラブを主宰する著者が、恐ろしい失敗事例…

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