アマゾンが第2本社の拠点に「NYとD.C.近郊」を選んだ理由

2018年11月、アマゾンは第2本社(HQ2)をニューヨークのロングアイランドシティとバージニア州アーリントンに建設することを決めました。今回は、アマゾンが第2本社の所在地に両都市を選んだ理由と、選ばれた両都市が享受するメリットについて見ていきます。

ロサンゼルスやシカゴといった人気都市を抑えて決定

現在、Amazon.com, Inc(以下アマゾン)本社はワシントン州シアトルにありますが、今年の11月、第2本社「HQ2」の拠点に、筆者の住んでいるニューヨークのロングアイランドシティとバージニア州アーリントンが選ばれました。

 

アマゾンは、現時点で世界各国に約61万人を雇用しています。第2本社の所在地として、米国内の238の地域が13ヶ月間にわたり激しく誘致合戦を繰り広げていました。たとえば、ジョージア州アトランタ近郊のとある地域は、「アマゾン」という名前の市を新たに作り、アマゾン創設者を市長にするユニークな提案もしていました。

 

最終的には18の都市が候補に残りましたが、ロサンゼルスやシカゴといった人気都市を抑えて、ニューヨークのロングアイランドシティ地区と、バージニア州からは首都ワシントン近郊のアーリントンの2箇所が選ばれました。さらに輸送やサプライチェーンなどを中心にしたオペレーション業務は、テネシー州ナッシュビルに設置すると発表されました。ニューヨーク州知事のアンドリュー・クオモは、「誘致費用がかかったが価値はあった」と話しています。

雇用創出、税収の増加…両都市が享受するメリットは?

なぜ、アマゾンの第2本社所在地は、奪い合いになるほど人気なのでしょうか。そして、なぜ同社はニューヨークとバージニア州の2箇所を選んだのでしょうか。

 

◆アマゾンの第2本社所在地が奪い合いになる理由

 

●第2本社設立コストとして見積もられている額は50億ドル

●2019年より、各拠点では新たに2万5千人ずつ、あわせて5万人を雇用予定

●新たな雇用の平均年収は15万ドル(約1700万円)以上になると予定

●ニューヨーク、バージニア州、テネシー州に140億ドルの税収を与える見込み

●今後20年以内に、ニューヨークの税収が100億ドル増の見込み

●アマゾンのキャンパス内に、テクノロジー・スタートアップ企業やアーティストが使用できるスペースを提供予定

●地域の教育機関への寄付や、新しく学校を創設する予定

●市の緑化企画への貢献

 

◆ニューヨークとバージニア州が選ばれた理由

 

●ソフトウェア開発関連で能力のある人材が多数

●地域の学校教育の質の高さ(特に理系科目)

●企業に対して有利な税金制度

●地下鉄、バスや飛行場などの交通の良さ

 

上記から簡単に予測できるように、各拠点付近の不動産物件の価値は急速な上昇が予想されています。また、第2本社従業員の平均収入が、アメリカ人の一般的な収入額に比べて高額なことや、アマゾン役員会議の開催などが予定されていることからも、両都市には富裕層が多く集まると見込まれます。

 

実際、すでに両地域の物件へのオンラインサーチ件数がうなぎのぼりになっているようです。11月の第2週だけで、ニューヨークロングアイランドシティの販売物件の閲覧数が、前年同週と比べ1,049%と驚異的に伸びており、またバージニア州のクリスタルシティの閲覧数も前年比217%と増加しています。

 

今後、ニューヨークとバージニア州は、高収入のIT関係者による家賃のキャッシュフローに加え、大幅なキャピタルゲインが見込まれる年になりそうです。ニューヨーク在住の筆者ならではの情報も今後どんどんお伝えしていきます。

 

 

山崎 美未

Win/Win properties,LLC パートナー マネージング・ディレクター

Win/Win properties,LLC パートナー
マネージング・ディレクター

米国University Of Washington経営大学院修士課程卒業。
米国ニューヨークで過去10年以上にわたり翻訳会社経営を営むかたわら、2009年より米国不動産投資を始め、多くの一戸建物件や集合住宅物件などを個人所有。
戦略は、差し押さえ物件などを安く購入、リノベーションして賃貸し、毎月多額のキャッシュフローを得つつ、市場と物件価格が上がってきたところで売却。
2011年、テネシー州メンフィスが「投資額に対するキャッシュフロー比率」および将来のキャピタルゲインにおいて最高の場所であることを発見、主にメンフィス物件を購入し、利益を出し続けている。ここ数年はフロリダやアリゾナなど別都市にも拡大。
また、世界中に住む知人などに、日本や東南アジアと比較して実質利回りのはるかに高い安定した不労所得が得られる米国不動産投資の方法を教えている。

WEBサイト http://winwin-pro.com/

著者紹介

連載アメリカ不動産投資・・・みんなが知らない利回りの高い「穴場」地方都市

本連載に記載された情報に関しては万全を期していますが、内容を保証するものではありません。また、本連載の内容は著者の個人的な見解を示したものであり、著者が所属する機関、組織、グループ等の意見を反映したものではありません。本連載の情報を利用した結果による損害、損失についても、著者ならびに本連載制作関係者は一切の責任を負いません。投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。

 

 

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